(目次)・TOP
・嵐が最後のコンサートツアーを2026年春に開催して活動終了、きっぱりと決断
・嵐はなぜ国民的アイドルグループになれたか
・男性アイドルグループ25年限界説―メンバー個人の人生を考えたら必然
・嵐の5人の2025年5月6日のファンクラブ向け動画でのコメント
嵐が2025年5月6日(火祝)に、有料ファンクラブサイト内の動画に5人揃って登場し、2026年春頃に予定しているコンサートツアーをもって、嵐としての活動を終了する、と発表した。2026年5月いっぱいで、事実上の解散となる。衝撃だ。
嵐が国民的アイドルになれた理由は、SMAPとは違う。
男性アイドルグループ25年限界説は、メンバーの人生を考えたら必然だ。
嵐が最後のコンサートツアーを2026年春に開催して活動終了、きっぱりと決断
筆者は嵐のファンクラブ会員ではなかったが、身近には嵐のファンクラブ会員がいて、筆者自身も何年にもわたって、嵐のCDや映像作品を買っていたので、2019年1月の活動休止の発表も、今回の活動終了発表も、かなりの衝撃だった。
嵐は2025年5月6日(火祝)に、有料ファンクラブサイト内の約3分19秒の動画に5人揃って横一列に並んで登場し、来年春頃に予定しているコンサートツアーをもって、嵐としての活動を終了する、と発表した。
嵐は2019年1月27日に記者会見で、2020年末をもって活動休止を発表したが、2020年初めに勃発したコロナ禍のため、予定していた活動の多くが中止になってしまった。
だから、その時にできなかったことを実現してから、活動休止、事実上の解散、という道を選んだ。ファン思いの嵐らしい決断だ。
2024年4月10日に、株式会社嵐の設立が発表され、嵐は同日にグループとしてSTARTO ENTERTAINMENTとエージェント契約をして、同社に移籍した。
大野智だけは、活動休止になって一切の芸能活動を休止していたが、他のメンバーは決して嵐が解散するとは言わず、いつか活動を再開したいとの意向を示唆していた。
ただ、筆者個人的には、活動を再開しても、以前と同じように継続的にグループ活動を行う感じが全くせず、○○周年記念のコンサートを行う、みたいに、時々集まって一時的にライブを行うイメージだろうと予想していた。
このため、2026年春頃にコンサートツアーを開催して、同年5月いっぱいで活動終了、つまり事実上の解散の方針が発表されたことには、衝撃を覚えた。コンサートツアーの後、もう二度と5人揃った姿を見られなくなるとは、予想していなかったからだ。
だが、大人気のうちに、やりたいことをやり切って活動を終えるのが、メンバーの本望だろうと思う。
嵐はなぜ国民的アイドルグループになれたか
嵐がなぜ国民的アイドルグループになれたかは、時代や社会が求めていたものと合わせて考えると、非常に興味深いテーマだ。
筆者個人的には、嵐は、閉塞感のある時代の日本の女子たちの、心のよりどころのグループだっと思っている。決して雲の上のスターではなく、親近感を与える5人のメンバーのわちゃわちゃが楽しくて癒されるのが、彼らの魅力だった。
しかも、トークに攻撃性や毒がないから、親は安心して子供と一緒に、嵐のバラエティーを観ることができた。
たとえば、K-POPの世界的スター・グループだと、ビジュアルの良さに加え、歌・ダンスのパフォーマンス力が凄いイメージがある。
しかし、嵐はグループ内では大野智が歌とダンスが上手なメンバーとして知られて、二宮和也も歌が上手なほうだが、K-POPの世界基準には遠く及ばない。歌やダンスのスキルや、パフォーマンスの凄さは、嵐が国民的人気アイドルグループになった理由ではない。
また、嵐はSMAPとも違った。SMAPはアイドル・バラエティーのパイオニアだったが、超イケメンのスター・メンバー・木村拓哉が、雲の上の憧れのスタートして、グループの人気を牽引した面もあった。
この点、嵐のブレイクは、松本潤のドラマ「花より男子」のヒットがきっかけで、2007年の「花より男子2(リターンズ)」の主題歌の「Love so sweet」は嵐の代表曲となった。
しかし、その後は松本潤が木村拓哉のような、雲の上の憧れの絶対的スターとして、グループ人気を牽引したわけではない。
ネット上の嵐のファン投票でのメンバーの人気順を見ていたら、活動休止直前は大野智が一番人気だったし、次点だった櫻井翔は、SMAPにはいなかった高学歴アイドルで、長きにわたって、安定した人気があった。
嵐のバラエティーなどでのグループ・トークは、SMAPとは違っていた。SMAPでは、ボケで笑いをとるのが上手なメンバーもいたが、中居正広のように攻撃的な毒のあるツッコミを入れるメンバーもいた。
しかし、嵐のメンバーのトークは、二宮和也がちょっとひねくれたことを言うこともあったものの、全般に無害で攻撃性がなく、親は安心して子供と一緒に観ることができた。
なお、現在男性アイドルグループのトップを走っているSnow Manは、グループの武器がダンススキルとバラエティートーク力で、イケメン・スター・メンバーの目黒蓮がいることも強みだ。
男性アイドルグループ25年限界説―メンバー個人の人生を考えたら必然
1999年デビューの嵐が2024年の25周年には活動休止中で、ちょっと遅れて2026年に活動終了することが決定し、改めて、「アイドルグループ25年限界説」がクローズアップされている。
25年を超えて第一線で活動できているのは、1997年にデビューして、今も活動継続しているKinKi Kidsくらいだ。
だが、KinKi Kidsの場合は、高い歌唱力で、アイドルというよりアーティストとしてリスペクトされていて、ソロアーティスト活動が多く、グループでは近年は年1回東阪ドーム公演をする程度で、グループとしての音楽性に異論がなかったことで、細く長くグループ活動を続けやすい環境が整っていた。
普通の人気男性アイドルグループの場合、多くは年齢を重ねると、歌唱力の高いメンバー以外は、俳優業またはMC業がメインとなる。また、歌唱力が高いメンバーも、それぞれがやりたい音楽のジャンルが違ってくる場合がある。
自分の先々の人生のキャリア・プランを考えると、個人の仕事を優先したくなるのは当然で、自分にとって将来性のないコンサートツアーなどのグループ活動に縛られたくはない。
脱アイドルの第二の人生を真剣に考え始めるのは、35歳~40歳くらいが多いようだ。理由はいくつもある。まず、その頃には、自分のアイドル的容姿も衰え始めてオジサンぽくなり、ダンスの体力も衰えている。
また、結婚して子供も持ちたいと考えて、子供が成人するまで現役で確実に稼げそうな年齢を逆算すると、40歳前後までには結婚もしておきたい。アイドルが結婚するとファンが離れやすいから、アイドル以外の仕事での自分の居場所を早めに確保しておきたい。
以上のように、いろいろ考えると、男性アイドルグループが売れ続けた場合、メンバーが40歳前後に達した頃が節目になってくる。つまり、18歳くらいでアイドルデビューすると、20~25年後の38~43歳くらいで岐路に立つことになる。
あくまでも、男性アイドルグループが売れ続けた場合の岐路の話だ。売れなかったら、とっくに解散している。また、女性アイドルグループはもっと短命だ。
嵐の5人の2025年5月6日のファンクラブ向け動画でのコメント
皆様お久しぶりです。
嵐です。この度、私たちからお伝えしたいことがあります。
活動休止してから、およそ4年半が経ちました。
私たちは休止前最後の1年、コロナの影響で皆さんの前でパフォーマンスをすることは叶いませんでした。これまで支えて下さったファンの皆さんに直接感謝の思いを伝えるために、私たちは、再び5人で集まり、嵐として来年の春頃に予定しているコンサートツアー開催に向けて動き始めます。
また、株式会社嵐を設立したこともあり、新たなスタッフの方と新しい形を組み立てる可能性を模索した時期もありましたが、これまで20年以上にわたりお世話になってきた多くのスタッフのみなさんと共にその景色を作り上げていきたいと考えています。
そして、このツアーをもちまして、嵐としての活動を終了いたします。
およそ1年半ほど前から、折を見て5人で集まりまして、“もう一度嵐として活動する”ことについて話し合いを重ねてまいりました。
しかしながら、私たちを取り巻く環境は変化し、それぞれの環境も以前とは形を変える中で、なかなかその答えにたどり着くことは簡単ではありませんでした。時間をかけて、何度も話し合いを重ね、みんなで出した結論は、もう一度集まって、嵐としてのコンサートを行い、コロナによって叶えられなかった、ファンの皆さんに“直接感謝を伝える”“直接パフォーマンスを見てもらう”ということをもって、5人での活動を終了するということでした。
活動を再開したその先に、また再び休止に入るということは考えられませんでした。
コンサートは、今この動画をご覧になっている、現在ファンクラブ会員の方に優先的に申し込んでいただけるように、ファンクラブの新規入会は一時的に申し込みを停止いたします。
また来年のツアー開催に向けて実現すべく、様々な人のお力をお借りしながら準備に入っていますが、現段階でその全てをお伝えできる状況にはありません。
決まり次第随時、ファンの皆さまへは最初に、自分たちから、自分たちの言葉でお伝えしていきたいと思っています。そして、嵐の活動終了に伴い、ファンクラブも2026年5月いっぱいで活動は終了いたします。
ですが、それまでの一年、ファンクラブ会員のみなさまへ向けて出来る限り多くのコンテンツをお届けしますので、観て楽しんでいただければと思います。
また、今ファンクラブに入っていない方も次の配信から楽しんでいただけるように、新規入会受付の再開準備をしています。次の嵐ファンクラブ内のコンテンツ配信は来月中旬を予定しています。
重ねてにはなりますが、これから5人でまた集まり、これまで応援し続けて下さったファンの皆さんに感謝の思いを込めて、喜んでいただけるようなコンテンツをお届けできたらと考えています。
ぜひ楽しみにしていてください。嵐
相葉雅紀
松本潤
二宮和也
大野智
櫻井翔
[PR]