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・Weverseは便利で素晴らしい、メリットが非常に大きい、これは本当
・Weverse Albumsは韓国アルバムチャートに反映されるが、韓国デビューしていないアーティストにメリットはあまりないかも
・Weverse Albumsのデメリット― Weverse会員でい続けないと再生できなくなる可能性大
香取慎吾がHYBEが開発したグローバル・ファン・コミュニティ・プラットフォームのWeverseにコミュニティーを開設し、2025年5月28日(水)発売の3rdソロアルバム「Circus Funk」をCDなし・専用アプリで再生の「Weverse Albums」で、日本人アーティストとして初のグローバル販売することが決定した。
海外ファンを増やすつもりなら、Weverse参入はメリットが非常に大きいと思うが、「Weverse Albums」は現時点で日本アーティストとしてはどれだけメリットがあるか、筆者個人的には疑問を感じている。
あと、K-POPオタクでWeverseユーザーとして言わせてもらうと、Weverseは確かに素晴らしいが、デメリットがゼロではない。
Weverseは便利で素晴らしい、メリットが非常に大きい、これは本当
筆者はグローバル・ファン・コミュニティ・プラットフォームのWeverseを開発したHYBEの所属アーティストのファンを何年もやってきたこともあり、Weverseがいかに便利で素晴らしいかは、よく分かっている。
Weverseはアーティストごとにファンが無料登録して、始められる。掲示板みたいな書き込みを、アーティストもファンも書き込め、しかも自動翻訳機能もある。アーティストはインスタ・ライブやYouTubeライブみたいなライブ配信も、どこからでも可能だ。
言葉の壁を超えて、アーティストとのコミュニケーションができるし、ただアーティストの日記みたいな書き込みを読んで楽しむだけでもいい。
もちろん、運営(事務所・レーベル)からのお知らせもWeverseのコミュニティーで読むことができる。
また、アーティストのCD、その他グッズ、配信ライブのチケット、ファンクラブ会員資格(会費を支払う)も、Weverse Shopで購入可能だ。
まさに、ワンストップで、推し活に必要なものが全て揃っている。
Weverse Albumsは韓国アルバムチャートに反映されるが、韓国デビューしていないアーティストにメリットはあまりないかも
一方、Weverse Albumsのプラットフォームのデジタルアルバムを発売するのは、率直に言って、HYBEに勧誘されちゃったかも、と感じている。
現時点では、韓国デビューしていない日本のアーティストがWeverse Albumsの形式でアルバム(もしくはシングル、EPも可能)を発売するメリットが、まだほとんどないと思われるからだ。
実際、HYBEの日本法人の&TEAMは、まだ韓国デビューをしていないから、Weverse Albumsも発売していない。
では、Weverse Albumsはなぜ誕生したのか。
1つの理由は、「CDはプラスチックごみになるから、環境に悪い」という問題と、「単なるデジタルアルバムは形になるものが残らなくて寂しい」という問題の、両方を解決する折衷案がWeverse Albumsだからだ。
HYBEはこのWeverseという名称を用いているが、K-POPの他の大手事務所は別の似たようなプラットフォームのアルバムを発売している。
Weverse Albumsは、普通のK-POPのCDアルバムのように、厚紙パッケージで販売されている。
中にCDは入っていないが、QRコードの印字された紙に加え、アーティストの写真入りのトレーディングカード(トレカ)やフォトカード、ポストカード、歌詞冊子などのグッズが入っている。
2つ目の存在理由で、大きなメリットは、Weverse Albumsは韓国の主要音楽チャートであるハントチャートやサークルチャートで、「デジタルアルバム」ではなく、CDと同じ「フィジカルアルバム」に分類されて、売上がアルバムチャートに反映されることだ。
しかも、CDが入っていないWeverse Albumsだと、CDアルバムよりも価格が安いので、ファンがアーティストの対面特典会の抽選のために、あるいは単に推しの売上枚数を増やすことに貢献するために、何枚も「積む」のに適している。
もし、Weverse Albumsが音楽チャートで、単なるデジタルアルバムと同じ扱いだったら、おそらく熱心なファンがWeverse Albumsを買うインセンティブがあまりなかったと思われる。
このため、香取慎吾が韓国デビューして、韓国のハントチャートやサークルチャートに自分のWeverse Albumsをチャートインさせたいなら、Weverse Albumsを発売するメリットはとても大きいかもしれない。
ただ、韓国以外のアメリカなどのグローバル市場に香取慎吾が進出したいなら、Weverse Albumsではなく、世界最大の音楽配信サービスのSpotifyでのリスナー増加に力を入れるべきだろう、と筆者個人的には思っている。
ちなみに、日本のECサイトでは、Weverse Albums(およびHYBE以外のK-POP大手事務所の同様のアプリ再生型プラットフォーム・アルバム)は、「CD」ではなく「グッズ」または「ミュージックカード」に分類されている。
韓国発売のWeverse Albumsは、現状オリコンではCDと同じアルバムチャートに含んでもらえている模様だが、日本発売のWeverse Albumsも同じ扱いなのかは、分からない。
Weverse Albumsのデメリット― Weverse会員でい続けないと再生できなくなる可能性
だが、そうでないなら、オタクとしては、Weverse Albumsのデメリットも知っておくべきだ。
Weverse Albumsは、Weverseの会員が専用アプリを使用しないと、再生できない。つまり、現状では、Weverseを退会したら、再生できなくなる。(将来これは是正されるかもしれないが)
現状では、将来香取が何かの事情で、Weverseコミュニティーを閉鎖して、別の、たとえば日本の会社が新たにグローバル対応で開発したファン・コミュニティー・プラットフォームに移った場合、ファンはWeverseの登録を維持すれば、香取のWeverse Albumsを再生できる。
しかし、ファンがWeverseを退会して、香取が新たに開設した別のプラットフォームのコミュニティーだけに登録すれば、現状では、Weverse Albumsの再生を諦めなければならない。
ただ、現在のK-POPファンのほとんどは、Weverse Albumsだけでなく、同じ収録内容のCDアルバムも、デジタルアルバムも、チャート対策で同時に買っている。MelonやSpotifyなどのストリーミングでも、チャート対策のために再生している。このため、Weverse Albumsが再生できなくなっても、収録曲を聴く手段には事欠かない。
Weverse Albumsだけを買うファンは、あまりいないが、もしいたら、要注意かもしれない。
いずれにしろ、とにかくWeverse Albumsは、「あなたに一生Weverse会員でいてもらいたい」という趣旨のプラットフォーム・アルバムなのだ。
なお、現時点でWeverseユーザーのK-POPファンの間でしばしば聞かれるWeverseの一般的な問題点としては、グローバルでの利用者数があまりにも膨大すぎるため、Weverse Shopの配送の遅延やトラブルが起きることがある、というものだ。
また、BTSが無料コンサートのライブ配信をWeverse Liveを通じて行った際には、アクセス数が膨大すぎて、繋がらない問題が多発した。
だが、これらはWeverseに限らず、他の利用者数が膨大なECサイトや配信プラットフォームなどでも起きうる問題だ。
あとは、部分的に追加課金サービスがあって、いろいろ全部利用していたら、お金が足りなくなる、という問題だ。
もっとも、これはWeverseに限らず、一般的なK-POP銭ゲバ問題(K-POP推し活は一般的な国内アイドルの推し活よりもチケットも高いし全般的にお金がかかる)だと、K-POPオタクたちは分かっている。自分で予算を決めて、決して無理をしない、という推し活方針を維持して乗り切ることになる。
ということで、Weverseは優れていて、僅かなデメリットよりも、素晴らしいメリットのほうがはるかに大きい。
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