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timelesz /中島健人/ Sexy Zone

timelesz新メンバーオーディションNetflix世界配信決定―何が問題か(サバ番オタクの視点)

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最大の問題は無料配信の有無―全て有料配信のみだと、新規ファン獲得はかなり難しい
番組がつまらないか、合格者選出に違和感があると視聴者は離脱
既存メンバーの3人は、自分たちよりも才能・人気がある新メンバーを選べるか?
炎上は不可避―誹謗中傷に厳しく対応できるか、脱落者に温かい配慮ができるか

STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ)でSexy Zoneから2024年4月1日に改名した菊池風磨、佐藤勝利、松島聡の3人組・timeleszが、現在開催中の新メンバーオーディションの模様が、2024年9月13日から最終メンバーが決定する2025年初めにかけて、Netflixで「timelesz project -AUDITION-」として、何回かにわたって独占配信されることが決定した。

8月4日朝にスポーツ紙などの芸能メディアが一斉に報じた。同番組は、海外でも配信される予定で、現在開始日を調整中だという。このオーディションには1万8,922件の応募があり、約350人が2次審査に進み、timeleszの3人のメンバーが審査を行っている。

これまで2ケタの韓国および日本のオーディション番組を観てきた筆者としては、追加メンバーをオーディションを通じて選出し、その過程を番組として公開して、新生グループの始動までにファンを確保することには、大いに賛成している。

しかし、全てのオーディション番組が人気を集めるわけではないし、オーディション番組で誕生したグループが全て売れているわけではないのも事実だ。

今回の「timelesz project -AUDITION-」に関しては、旧ジャニーズ・現STARTOの人気グループの追加メンバー募集だから、たとえオーディション番組がつまらなくても、timeleszのファンや、今後応募が判明するジュニア(旧ジャニーズJr.)のファンたちは、必ず観るだろう。

しかし、新規ファン獲得となると、そのハードルは、たとえSTARTOのtimeleszであっても存在する。オーディション番組好きの筆者の目から見て、以下の問題点がクリアできるかどうかが、大事と思われる。

最大の問題は無料配信の有無―全て有料配信のみだと、新規ファン獲得はかなり難しい

第一に、Netflixのオーディション番組「timelesz project -AUDITION-」が、有料配信のみなら、既存ファン以外がほとんど観ないから、オーディション番組を通じた新規ファン獲得はかなり難しくなる。

筆者がこれまで観てきた数々のオーディション番組で、番組自体が盛り上がってそこからデビューしたグループが大人気をなった例は、ダイジェストあるいは全部が、少なくとも一定期間は無料だった。

JO1やINIを輩出した「PRODUCE 101 JAPAN」シーズン1・2(それぞれ2019年と2021年)は当時のGYAO!で無料配信され、シーズン2地上波TBSの関東ローカル番組で、ダイジェストが紹介された。彼らの妹分のME:I(ミーアイ)が誕生した「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」(2023年)は、Leminoで無料配信された。

韓国の人気オーディション番組に関しても、大人気ボーイズグループのENHYPENが誕生した「I-LAND」(2020年)やZEROBASEONEが誕生した「BOYS PLANET」(2023年)はABEMAで無料放送された。

NiziUが誕生した「Nizi Project」やBE:FIRSTが誕生した「THE FIRST」は、ダイジェストが地上波日本テレビ「スッキリ」で定期的に紹介され、完全版はHuluで有料配信された。

いくらサバ番(サバイバル番組)好きなオタクでも、有料のみのオーディション番組だと、自分の推しが(再)デビューを目指して出演している場合でもなければ、まず観ない。番組を観なくても、各種芸能メディアが途中経過の番組レポートをしてくれるし、最終的なデビューメンバー決定もニュースで知ることができる。

今回のNetflixの「timelesz project -AUDITION-」が無料配信、あるいは少なくとも一定期間無料配信という情報がないのが、現時点での最大の懸念材料だ。

Netflixが有料配信しかない場合、地上波のどこかの情報番組に、定期的にダイジェスト紹介企画をやってもらうか、配信開始後しばらく経ってから、YouTubeに要点まとめ動画を公開するくらいの対応をしないと、新規ファン獲得が極めて難しくなるだろう。

番組がつまらないか、合格者選出に違和感があると視聴者は離脱

最重要の課金問題がクリアできたとすると、次は番組の内容が視聴者の共感を呼べるかどうかが、問題となってくる。

沢山のオーディション番組を観てきた筆者も、あまりにも内容が平坦でつまらないか、オーディション番組の出演者のレベルがビジュアルとスキルの点で低すぎると、番組を観るのを途中でやめていた。

「timelesz project -AUDITION-」に関して、既存のファン(timeleszのファンや出演するジュニアのファン)は、たとえ番組がつまらなくても、最後まで見届けると思うが、それ以外の視聴者は、番組を無理して観続ける必要がないから、さっさと離脱するだけだ。

ただ、菊池風磨はバラエティー番組の達人だから、それなりに見応えのある番組にしてくれるだろう、と期待はしたい。

既存メンバーの3人は、自分たちよりも才能・人気がある新メンバーを選べるか?

このオーディションで事実上のプロデューサーとなるtimeleszの3人のメンバーにとっての難題の1つは、自分たちよりも歌やダンスなどのスキルが上だったり、自分たちよりも人気が出そうだったりする新メンバーを選べるかどうかだ。

断言しよう。自分たちが主役で新メンバーは自分たちを超える要素がない、という編成にすると、新生timeleszが今より売れることはない。

ここは勇気とビジネスの視点を持って、自分たちに欠けているスキルを補える人材を選出すべきだ。人間だから嫉妬心があるので、感情的に難しいだろうが、スキルがあって、グループにプラスとなり、かつ協調性がある人材を選ぶ、という基本姿勢を維持するべきだ。

このオーディション番組がNetflixで世界配信されるなら、なおさら、歌・ダンス・語学力などで、レベルの高い参加者を選ぶべきだ。K-POPのハイレベルなグループを見慣れた世界の視聴者が、このオーディションはレベルが低いと思えば、世界でファンを獲得することは難しくなる。

炎上は不可避―誹謗中傷に厳しく対応できるか、脱落者に温かい配慮ができるか

一方で、サバ番の宿命として、視聴者がいいと思うオーディション参加者が、脱落させられてしまうと、炎上は十分あり得るが、「timelesz project -AUDITION-」の場合、大炎上はまず、ジュニアの参加者が判明した場合に起きるような気がする。

たとえば、既にどこかのジュニアのユニットに所属しているメンバーが応募していることが判明した場合、そのユニットの他のメンバーのファンが大荒れとなることは、不可避だろう。

その場合、応募したメンバーも自分の人生をかけて大きな決断をしたことを、本人とtimeleszメンバーが、視聴者にしっかり伝えるしかない。感情的になったファンに納得してもらうことは容易ではないが、それでも誹謗中傷行為には厳しく対応しないと、番組が持たなくなる。

どんなサバ番でも、何で○○君は合格で、XX君は脱落なの?とSNSが大荒れになり、合格者への誹謗中傷が起きることはよくあり、アンチの書き込みは新グループのデビュー後にも続く。そういう行為への対策は、しっかりやってもらいたい。

なお、不満を持つ視聴者が「どうせ出来レース」みたいな悪態をつく可能性は大いにあるが、はっきり言って、どんなオーディション番組でも、プロデューサーがいいと思った参加者、つまりデビューさせたい参加者をえこひいきして、その参加者が映る分量を多くすることは、普通に行われている。

デビューの可能性が高いと思われる参加者に、オーディション期間中からフォーカスすることで、デビュー前からファン獲得につなげられるからだ。また、デビュー後のオーディション振り返りVTRでは、デビューメンバーのドキュメンタリー需要が沢山あるから、デビューできそうなメンバーの映る分量を多くしておく必要があるが、脱落者の映像は使えなくなる。

サバ番オタクはその辺を敏感にキャッチしていて、この参加者がプロデューサーのオキニで、デビューの可能性が高そうだ、とデビューメンバー予想を楽しむ。逆に、参加ジュニアのファンは、自分の推しが今回プロデューサーとなるtimelesz3人のオキニでないと気づくと、辛いし荒れるだろう。

脱落者がなぜ選ばれなかったかを明確に示し、彼らの労をねぎらい、温かい対応をすることで、炎上をある程度抑制することはできる。「THE FIRST」でのSKY-HIや、「Nizi Project Season2」でのJ.Y.Parkは、そういう対応は見事だった。その辺の、timeleszの3人の力量も問われるだろう。

なお、オーディション番組自体が人気を得ていれば、最終段階での脱落者には、ほぼ確実に、別のデビューの機会が生まれるだろう。

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