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・『THE MUSIC DAY 2025』出演のスタエン(旧ジャニ)勢は世代交代を裏付けた
・グループ・シャフルメドレーで見えたスタエン/旧ジャニーズの衰え
・スタエン新世代8組の課題―世間に浸透しているヒット曲がほとんどない
・次のデビューを成功させることがとても重要―次は王道アイドル路線?
2025年7月5日(土)の日本テレビ系大型音楽特番「THE MUSIC DAY 2025」に出演したSTARTO ENTERTAINMENT(スタエン)勢の顔ぶれは、新旧交代を示した。
ただし、グループ・シャッフルメドレーを見る限り、スタエン・旧ジャニの復権どころか、衰えを感じさせた。
『THE MUSIC DAY 2025』出演のスタエン(旧ジャニ)勢は世代交代を裏付けた
まず、「THE MUSIC DAY 2025」に出演したスタエン勢を見てみると、世代交代となったことが確認できる。
今回は総合MCの嵐・櫻井翔と、パフォーマンスで出演した以下の8組だった。その7組は、2011年にSexy ZoneとしてCDデビューした現・timeleszと、(2012年デビューのA.B.C-Zをすっ飛ばして)それ以降デビューした7組だ。
嵐・櫻井翔(MC)
timelesz(2011年にSexy ZoneとしてCDデビュー)
WEST.(2014年CDデビュー)
King & Prince(2018年CDデビュー)
Snow Man(2020年CDデビュー)
SixTONES(2020年CDデビュー)
なにわ男子(2021年CDデビュー)
Travis Japan(2022年配信デビュー)
Aぇ!group(2024年CDデビュー)
ちなみに、元ジャニーズの近藤正彦と草彅剛(元SMAP)も出演していたが、SMAP以降・Sexy Zone以前にデビューした現役グループは、MCの嵐・櫻井翔以外は、ソロでも誰1人出演していない。
グループ・シャフルメドレーで見えたスタエン/旧ジャニーズの衰え
今回、2年ぶりにグループ・シャッフルメドレーが復活、とのニュースを最初に目にした時、率直に言うと、筆者の感想は、また「ジャニーズ祭り」になるのかな、というものだった。
しかし、蓋を開けてみると、グループ・シャッフルメドレーは、スタエン/旧ジャニーズの衰えを示していたと思う。
以前は、「ジャニーズ・グループ・シャッフルメドレー」と事務所の名前が冠された企画だったのに、今回は単に「グループ・シャッフルメドレー」とだけ呼ばれていた。
これだけなら、スタエンのグループだけが出演するメドレーだと、一般人には伝わりにくかった。
かといって、「STARTO ENTERTAINMENTグループ・シャッフルメドレー」との企画名にするのも、無理がある。
長すぎるし、未だに心理的抵抗感のあるファンもいるし、一般人の多くはSTARTO ENTERTAINMENTという社名を知らないからだ。つまり、STARTO ENTERTAINMENTはまだジャニーズのようには、世間に認知されていない。
より大きな問題を提起したのが、歌われた楽曲だ。
以前のジャニーズ・グループ・シャッフルメドレーでは、ジャニーズの解散済み・現役のいろんなグループの人気曲が選曲されていたのだが、今回は出演していたグループの楽曲は歌われず、「先輩の名曲」のみが選ばれていた。今回歌われた曲は、以下の通りだ。
Part1:
関ジャニ∞(旧SUPER EIGHT)「ズッコケ男道」
男闘呼組「TIME ZONE」
SMAP「世界に一つだけの花」
KinKi Kids「硝子の少年」
NEWS「チャンカパーナ」
V6「Can do! Can go!」
Part2:
タッキー&翼「夢物語」
Hey! Say! JUMP「ウィークエンダー」
光GENJI「パラダイス銀河」
少年隊「仮面舞踏会」
KAT-TUN「Real Face」
嵐「Love so sweet」
この種の企画では、一般視聴者も知っている有名曲でなければ、シラけてしまう。このため、今回歌われた「先輩の名曲」は基本的に、ファン以外にも広く知られている曲ばかりだ。
ただし、筆者個人的には、男闘呼組「TIME ZONE」は古すぎて知らない人が多く、タッキー&翼「夢物語」とHey! Say! JUMP「ウィークエンダー」は、そこまで世間に普及していなかった、と思っている。
スタエン新世代8組の課題―世間に浸透しているヒット曲がほとんどない
今回「THE MUSIC DAY 2025」に出演したスタエン8組が、もし自分たちの楽曲をシャッフル・メドレーで歌ってもらえるとすれば、各グループの、誰もが知っている代表曲は何だろう? 筆者が思う候補曲は以下だ。
timeless: 「Sexy Zone」(もしくは「Rock this Party」)
WEST.:「ええじゃないか」
King & Prince「シンデレラガール」
Snow Man:「D.D.」?
SixTONES:「Imitation Rain」?
なにわ男子:「初心LOVE」
Travis Japan: ??
Aぇ!group: ??
何が問題かというと、今ファン数が断トツで多いSnow Manですら、ファン以外も含め、広く世間に知られている楽曲がほぼないと思われることだ。
Snow Manで一番有名と思われるデビュー曲「D.D.」ですらも、もしシャッフル・メドレーで歌われたら、スタエン・ファン以外の一般視聴者の多くにとっては、知らない曲と思われる。
SixTONESのデビュー曲「Imitation Rain」はYOSHIKIの提供曲だったから、世間的な知名度はSnow Man「D.D.」よりも高かったかもしれないが、スタエン・ファンとYOSHIKIファン以外の一般視聴者が聴いて、「あ、SixTONESの曲だ」と分かるかどうかは疑問だ。
なにわ男子の「初心LOVE」は、近年のデビュー組の中では、おそらく最も世間的に知られている曲だと思うが、それでもKing & Princeの「シンデレラガール」ほどの圧倒的知名度はないだろう。
より深刻な問題は、2022年に配信デビューしたTravis Japanと、2024年にCDデビューしたAぇ!groupの楽曲が、ファン以外にはほとんど知られていないことだ。もしシャッフル・メドレーで歌われても、スタエン・ファンの中にも、どのグループの曲か分からない人が多いかもしれない。
平たく言うと、Travis JapanとAぇ!groupには、誰もが知るヒット曲がまだない。これは、CD売上とは関係ない。
次のデビューを成功させることがとても重要―次は王道アイドル路線?
上述のように、スタエン/ 旧ジャニーズで最近デビューしたTravis JapanとAぇ!groupの2組に、未だ世間の誰もが知るヒット曲がないという状況の中で、スタエンは次のデビュー・グループを準備することになる。
このデビューが成功するかどうかは、スタエンにとってかなり重要だ。
井ノ原快彦が完全にタレントに復帰した今、新人プロデュースを担当するのが大倉忠義なのかどうかは分からない。
筆者の勘では、次にデビューするグループは、一周回って、キンプリやなにわ男子のような王道アイドル路線のACEes(エイシーズ)だろうと予想している。
Travis Japanの洋楽・ダンス曲路線、Aぇ!groupの男っぽくて音楽性重視路線で、世間の誰もが知るヒット曲が生み出せていないので、次はおそらく、基本に立ち返って、「シンデレラガール」「初心LOVE」路線の王道アイドルのキャッチーなラブソングにするのではないか。
ただ、今の時代は、TikTokなどでバズってヒット曲が生まれているから、王道ラブソングがヒットするかどうか、不透明ではある。
意表を突いて、トンチキソングを出すだろうか。それなら、ACEesでなくてもいいような…。
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