SixTONESはなぜSnow Manに抜かれたのか―楽曲、ダンス、バラエティー力/キンプリはライバルじゃない

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・楽曲―SixTONESはロック、Snow Manはトレンドに乗っかった売れ筋サウンド
・歌唱力はSixTONESが勝り、ダンスとバラエティー力はSnow Manが勝る
・キンプリとスノストはカラーが異なるからライバルとは言えない？
・追記―Snow Manを追いかけ、Sexy Zoneとキンプリも路線変更
・商品情報

2020年1月22日に同時デビューを果たしたSixTONESとSnow Manは、当初は歌唱力の高いSixTONESの人気のほうが上と思われていたが、1年経ってみると、Snow ManのほうがCDシングルの売上や推定ファンクラブ会員数などがSixTONESを大きく上回るようになった。（筆者注: その後数カ月での状況変化に鑑みて、2021年5月20日時点で加筆した部分がある）

シングル初週売上（Billboard Japanデータ）

SixTONES
2020/1/22　Imitation Rain/D.D.　776,836枚
2020/7/22　NAVIGATOR　　　　652,277枚
2020/11/10　NEW ERA　　　　459,986枚
2021/2/17　僕が僕じゃないみたいだ　436,911枚

Snow Man
2020/1/22　D.D./Imitation Rain　772,236枚
2020/10/7　KISSIN’ MY LIPS/Stories　939,589枚
2021/1/20　Grandeur　　　　　800,398枚

King & Prince
2020/6/10　Mazy Night　　　　531,162枚
2020/12/16　I promise　　　　578,092枚

ファンクラブ（FC）会員数は非公表だが、新規FC加入者がSNSで明かす会員番号が通し番号なので（退会者の欠番が残ったまま）、大雑把な延べ人数が分かる。2021年2月8日時点までのSNS情報を見渡すと、Snow Manは約39万人、SixTONESは約30万人とみられている。

さらに、2021年3月5日に発売されるジャニーズ事務所公認の2021年度カレンダー（2021年4月～2022年3月）の発売前1カ月時点での予約数は、2月10日発売の「週刊文春」2021年2月18日号によると、Snow Manが20万部超えで他グループを抑えてトップとなり、昨年売上トップだったKing & Princeの現時点の約15万部の予約に大差をつけているという（SixTONESは不明だが、記事の書き方だとキンプリ以下の模様）。

このカレンダーは価格が2,500円で決して安くないし、オタクの常識として、たとえ複数のアーティストのファンであっても、カレンダーは1ピックの推し（1番好きな芸能人またはグループ）のものを買って飾っておきたいものだ。

なぜSnow ManはSixTONESを抜いて（さらにキンプリも抜いて）、少なくとも現時点でジャニーズで1番人気のグループにのし上がることに成功したのだろうか？

これについて、筆者はデビュー当時からのSixTONESのファンとしての視点で述べてみたい。SixTONESは筆者の1ピックではないが、筆者は一応SixTONESのFC会員ではある（まだライブに行ったことはないが）。

SixTONESのどこに惹かれてファンになったかというと、京本大我を筆頭に、歌唱力の高いグループであることが、一番の魅力だった。また、デビュー前からYouTubeの「JAPONICA STYLE」のMVで知られ、世界に出て行くグループと期待できた。

SixTONESファンである筆者の目からみて、なぜSixTONESはSnow Manに抜かれたのかというと、SixTONESの魅力は維持されているものの、Snow Manのほうがもっと魅力を高めることに成功したから、としか言いようがない。

具体的には、SixTONESは歌唱力ではSnow Manよりも圧倒的に優位にあるが、楽曲、パフォーマンス、バラエティー力でSnow Manに先に行かれてしまった、と思っている。

楽曲―SixTONESはロック、Snow Manはトレンドに乗っかった売れ筋サウンド

楽曲については、メンバーは選べる立場にないから、プロデューサーの戦略によるところが大きい。SixTONESのシングル表題曲やアルバムのリード曲は、いい曲なのだが、Snow Manの楽曲のほうが、明らかに時代の先端トレンドに乗っかっていて魅力的で、売れ筋のサウンドだと思う。

SixTONESのこれまでのリリースのリード曲を世に出した順に見てみると、デビューシングル「Imitation Rain」はYOSHIKI提供のロックバラード、2ndシングル表題曲「NAVIGATOR」はアニソンのロック、3rdシングル表題曲「NEW ERA」もアニソンのロック、1stフルアルバム「1ST」リード曲「ST」はハードロック、4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」はポップロックのラブソングだ。

つまり、SixTONESのシングル4作のリード曲とフルアルバム1作のリード曲の計5曲が、全てロックなのだ。1stフルアルバム「1ST」にはさまざまなジャンルの曲が収録されていて、SixTONESはロック以外も歌いこなせるのだが、音楽番組で披露するシングル表題曲とアルバム・リード曲はすべてロック系の曲ばかりだ。

SixTONESのメンバーがロックが大好きなら別に構わないし、パワフルに歌うSixTONESは確かにカッコいい。だが、じゃあそういう曲が今の（日本および世界の）音楽業界で一番人気の売れ筋サウンドかというと、違うと思う。

やっぱり、Snow Manの「KISSIN’ MY LIPS」とか「Grandeur」のような、K-POP勢も採り入れている世界的トレンドに乗っかったダンサブルなサウンドのほうが、SixTONESのロックチューンよりも、新しくて、時代の先端サウンドのように聞こえて、ウケがいいと思う。

おかげで、K-POPが好きな筆者は、当初Snow Manにはほとんど興味がなかったのに、最近ではSnow Manの新曲リリースが告知されると、どんな曲だろうと待ち遠しくてワクワクするようになっている。

歌唱力はSixTONESが勝り、ダンスとバラエティー力はSnow Manが勝る

パフォーマンスはどうか。歌については、Snow Manは渡辺翔太だけ突出して上手いが、グループとしての歌唱力はSixTONESのほうが圧倒的に上だと思う。

しかし、ダンスについては、Snow Manのほうが圧倒的に実力が高く、おそらくジャニーズのデビュー組では最も上手だと思う（ちなみに、ジャニーズJr.のTravis Japanのシンクロダンスもかなり上手だ）。

なお、アクロバットもSnow Manの強みだが、アクロバットができるA.B.C-Zが大人気になっていないのを見て分かるように、アーティストとして評価されるのはアクロバットではなく、歌とダンスだ。

[追記] ちなみに、SixTONESは4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」で、ダンスを封印したステージ披露を選択したが、これは果たして正しかったのだろうか？世の中のトレンドを考慮すると、筆者はダンスを入れるべきだったのではないか、という気もした。なお、高地優吾はダンスが苦手と判明したが、それはこのご時世では不利だ。ダンスを練習してください。

一方、バラエティー力については、SixTONESもジェシーを筆頭にバラエティー力があると思う。しかし、グループとしてみると、Snow Manのほうがもっとバラエティー力があると思う。

Snow Manはグループでの番組機会が与えられた点でSixTONESよりもバラエティー力を磨きやすかったのかもしれないが、長年の下積みで崖っぷちの辛酸をなめ、デビュー時にイケメン度が低いメンバーがいると言われて危機感を持ったせいか、絶対チャンスを無駄にしないという気合いが伝わってくる。

キンプリとスノストはカラーが異なるからライバルとは言えない？

スノストとキンプリは、カラーが違うから、ライバルというのは違うのではないかと思う。たとえば、関ジャニ∞と嵐はカラーが違うから、誰もライバルとは思わない。それと同じだ。

イケメン度に注目すれば、キンプリはグループとして、スノストに勝ると思うが、バラエティー力は下だと思う。天然ボケを繰り返してずっと笑ってくれるのはファンだけであり、トーク力がないと一般視聴者はついて来ない。

キンプリは永瀬以外は歌も割と上手だが、声量に乏しい。ジャニーズ外でも通用する歌唱力という観点でみると、SixTONESの京本大我のほうが圧倒的に上手だと思う。

主たるマーケティングの手段も、スノストはネット・SNS活用型だが、キンプリは従来型のテレビ中心のプロモーションだ。この違いが今後どう影響していくのか、興味津々で見守りたい。

追記―Snow Manを追いかけ、Sexy Zoneとキンプリも路線変更

この記事を書いて数カ月で、Sexy Zoneが「RIGHT NEXT TO YOU」（アルバム「SZ10TH」リード曲）、King & Princeがヒップホップ曲「Magic Touch」という、ダンスレベルをかなり上げたダンス・チューンをリリースし、路線を変えてきた。

両グループとも王道アイドル路線だったが、従来型アイドルソングでは世の中の流れについて行けないし、彼らが希望している世界進出に近づくためには世界の流行りのサウンドとダンスを追求する必要があることも明らかだったので、この路線変更は必然だ。

若くて体力や適応力があるから、ダンススキルは猛練習を積めば向上できるだろう。むしろ、既に国際的に活躍しているK-POPグループとの差をどれだけ縮められるかは、か細く聞こえるボーカルやラップを上達させられるか、さらに通訳を介さなくても大体英語でコミュニケーションできるメンバーを1人でも育てられるかにかかっているような気がする。

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*Sexy Zoneの2021年3月3日（水）発売の通算9作目となるアルバム「SZ10TH」（読み: エスズィーテンス）は、11月16日にデビュー10周年を迎えるに当たり、デビュー曲「Sexy Zone」から19thシングル「NOT FOUND」までのシングル23曲と新曲2曲を全形態共通で収録。リード曲は前編英語詞の最先端ダンスナンバー「RIGHT NEXT TO YOU」。

アルバム「SZ10TH」はBlu-ray付き初回限定盤A、DVD付き初回限定盤B、CDのみの期間限定スペシャルプライス盤（2021年6月末まで。7月1日以降は通常盤となる）の3形態で販売。初回限定盤AのBlu-rayには全シングルのミュージックビデオ（MV）を収録し、32Pフォトブックとシリアルコード入りプレゼントカードを封入。初回限定盤BのDVDには特別バラエティー企画映像と「Change the world」10TH Memorialミュージックビデオを収録し、SZ10THロゴステッカーとシリアルコード入りプレゼントカードを封入。期間限定スペシャルプライス盤（7月1日以降は通常盤）は、過去のカップリング曲・アルバム曲からファンとメンバーが選曲した人気曲15曲を追加収録。