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・審査員の批判を受け止める/ 日本では事務所が守ってくれるが、海外では自分たちの強さが試される
・ボーカルのトレーニングを増やした/ 川島如恵留が英語の負担を一手に引き受けた→全員がグループに貢献したい
・早期の米国デビューは無理、日本で早めにデビューを
ビルボード・ジャパンではなく、正真正銘の本家・米ビルボード誌(Billboard)が、米国ロサンゼルス留学中のジャニーズJr.人気7人組ユニット・Travis Japanのインタビュー記事「J-POPグループ・Travis Japanがロサンゼルスから『America’s Got Talent』の経験と彼らの未来の計画を考える(仮訳)」を、2022年9月22日に配信した(Billboardの2022年9月22日配信のJ-pop Group Travis Japan Reflects on ‘America’s Got Talent’ Experience & Plans Their Future From Los Angeles)。
日本のジャニーズ御用メディアだと、厳しいコメント部分は忖度してカットするだろうが、ここでは辛口部分も割愛せず、重要な、あるいは興味深い部分を日本語に仮訳・要約してみた(下記)。
「America’s Got Talent」で審査員から厳しい言葉をもらったことを、彼らは冷静に受け止めている。日本ではジャニーズ事務所が所属アイドルを徹底的に守って、無様な姿をさらすことがないようにしてくれているが、海外に出てみると、彼らは事務所の保護から外れ、自分たちの強さが試されることになった、と理解していた。
メンバーで唯一留学経験があって英語が流暢だった川島如恵留が、英語に関する負担を1人で引き受けていたが、他のメンバーもそれぞれがグループに何らかの貢献をすべきだと理解するようになった。
成長したね、Travis Japan!
筆者個人的には、「America’s Got Talent」で歌唱力にダメだしされたから、早期の米国デビューの線はなくなったと思うが、World Of Danceの世界団体9位という素晴らしい成績の記憶が薄れないうちに、早く日本でCDデビューすべきだと思う。Snow Manとかぶらないコンセプト、かつ留学経験が活かせる曲にする必要がある。大丈夫か、ジャニーズ。ちょっと心配だ。
審査員の批判を受け止める/ 日本では事務所が守ってくれるが、海外では自分たちの強さが試される
Billboardの記事によると、20代の7人のJ-POPグループ・Travis Japanは最近「America’s Got Talent」で沢山のポジティブな思い出を作ったが、彼らが最も大事にしているのは批判だ。
「僕たちは自分たちの限界を認識することができましたし、将来そうした障害を打ち破って次のレベルに到達したいです」と川島如恵留は、ロサンゼルスの7人が現在住む家からビデオ通話で、両側に仲間に挟まれて語った。
Travis Japanの同オーディション番組出演は、おそらくBabymetalが2016年に「The Late Show With Stephen Colbert」に出て以来初めて、米国のネットワーク・テレビに現役のJ-POPグループが出演したという、なかなかない出来事だった。これは、日本の大手芸能事務所の海外の音楽市場に対する姿勢の変化を物語っている。
ジャニーズは長きにわたってインターネットを避けていて、フィジカルのメディア(CD)を好み、伝え方をコントロールすることに意欲的で、Amazonのようなオンライン・ショップでもCDリリースのアートワーク(ジャケット)を表示させなかった。POPミュージックがインターネットを受け入れて世界を見るようになっても、ジャニーズおよびJ-POPは、内向きだった。
しかし、このグループ(Travis Japan)は、状況が変化しつつあることを示している。彼らは、ジャニーズで最初にYouTubeチャンネル・デビューを果たしたグループのうちの1つだ。
松田元太は「僕が思うに、僕たちは心の中に’X’をしようという考えはなかった。その’X’が何なのか見つけたかった」「僕たちは視野を広げ、できるだけ沢山の新しい経験をしたかった」 そうした経験には、現地でのAnime Expoイベントへの出演やWorld Of Dance選手権への参加も含まれた。
そして、より厳しい審査に耐えた。彼らの「America’s Got Talent」での最初のパフォーマンスは上手く行ったが、9月に放送されたセミファイナルの出演では、審査員からより厳しい批判を受けることになった。審査員のHowie Mandelは彼らの歌唱とキラキラし衣装に言及し、「パロディーみたいに見えた」「『Saturday Night Live(番組名)』の出し物みたいだった。Liza Minnelliが日本に行ってボーイズグループを作ったら、こんな感じになる」と述べた。
川島如恵留は「ジャニーズでは、僕たちは常にあらゆる手段で支えられ、守られていると感じます。事務所がアイドルのイメージを作って徹底させて、アイドルが悪い面を見せることがないようにしています」「僕たちはそういうバブルからはみ出て、僕たちの強さを試すことになったかもしれません」と述べ、審査員には愛しかないとした。
ジャニーズの傘の下では、サブスクのストリーミング解禁には至っていないものの、YouTubeの使用は増えており、SixTONESやSnow Manなどは世界進出への野心を見せている。
Travis JapanはYouTubeの音楽コンテンツで常に再生数が数百万回に達しており、日本国内で行う公演はソールドアウトとなっているが、南カリフォルニアにもうしばらく滞在するつもりだ。番組出演を経て改善を続けて、次の一手を考えたいと考えている。川島は「僕たちもジャニーズも未知の域に入ろうとしています」と述べ、今後どう進んで行くか考えている、と付け加えた。
ボーカルのトレーニングを増やした/ 川島如恵留が英語の負担を一手に引き受けた→全員がグループに貢献したい
Q 「America’s Got Talent」が終わってから、どうしていたか? どんな生活をしていた?
松倉海斗「ただ練習を続けています。ダンスのレッスンに行っています。実は明日は、ダンススタジオに戻って学び、それからボーカルのトレーニングもします」
川島如恵留「僕たちはボーカルのレッスンは週1回だったんですが、『America’s Got Talent』の後は、週2、3回に増やしました。以前よりももっと練習しなくてはならない、と悟りました。審査員がそうしなければならないと言ったので(笑)。なので・・・増やすことに決めました」
Q「America’s Got Talent」の前に、大きな経験をしたか?
松倉海斗「僕は『The World Of Dance』選手権が本当に印象的でした。オレンジ・カウンティの予選は、実は僕たちがアメリカに到着した翌日にあったんです。本選に進出することができたことも、特別でした。僕たち全員がそれぞれ振付に関わったので、グループとしての努力の賜物でした。僕たちは個人のスキルだけでなく、チームの団結も見せることができました」
川島如恵留「『America’s Got Talent』のプロデューサーがWorld Of Danceのオレンジ・カウンティ予選での僕たちのパフォーマンスを見ていました。その後彼が僕たちに連絡してきて、『君たちはあの番組に出たいか?』って。もちろん、絶対出たいに決まっています」
Q 誰か英語のバックグラウンドがあったのか?
川島如恵留「僕は幸い、オーストラリアに留学する機会があって、そこで1カ月間、幼稚園の先生を経験しました。でも、他のメンバーは日本の学校で英語教育を受けただけです」
Q では君(川島如恵留)が英語が必要なすべてのことをさせられた?
川島如恵留「はい(笑)。『America’s Got Talent』のオーディションの収録は4月だったので、僕たちがこちらに来てまだ間もなくでした。それからはもっと勉強しました」
Q アメリカに見せたかったものは?
松倉「日本のアーティストが持つポテンシャルとスキルを世界に向けて見せようとしています。特に、Travis Japanの専門のダンススキルとシンクロニシティ。日本、それに特に日本の若い世代が世界のエンターテインメントにオファーできるものを見せたかったです」
Q 君たちの関係性はLAに来て、「America’s Got Talent」に出てどう変わったか?
松倉「新しい環境に入って、その状況に僕たちがそれぞれどう反応するか、明らかになりました。僕が覚えている1つの例は、『America’s Got Talent』のインタビューの部分で、如恵留がどれだけ担当してくれて、英語のスキルを使ったかが分かりました。実は、最初は僕たちはちょっとリラックスしていて、実際にパフォーマンスするのに適した心持ちでいることができました。でも、僕たちはお互いにグループのために特別なことで貢献するんだと気づいて、新しい経験をしています。何をすべきかを考えるようになりました」
早期の米国デビューは無理、日本で早めにデビューを
Travis JapanがWorld Of Danceで団体世界9位という好成績を収めた時、日本のファンの中にはこのままアメリカでデビューをしたらいいのではないか、という希望も出ていた。
しかし、「America’s Got Talent」のセミファイナルで、複数の審査員から歌唱力にダメ出しされてしまったので、早期の米国デビューの線は消えたと言わざるを得ないだろう。
それでも、World Of Danceの成績は目を見張る素晴らしいものだったので、その記憶が薄れないうちに、日本で早めにCDデビューすべきだろう。メンバーの年齢が高いことも考慮すると、遅くとも来年前半くらいまでにデビューするのが望ましいと思われる。
ただ、ダンスが得意なSnow Manとは違うコンセプトにすべきだし、LA研修で得られたものを活かせるデビュー曲にしないと、差別化できない。上手くできるだろうか、ジャニーズに?
Travis Japanの記事:
2022年9月8日付 Travis Japanが『America’s Got Talent』準決勝敗退―ジャニーズには誤算? CDデビューはどうなる?
2022年7月13日付 Travis Japanが米国の人気オーディション番組『America’s Got Talent』に出演、初ステージ大成功
2022年5月13日付 Travis Japanが6月に米国でフェス出演決定―これってKCONに似たJCON的イベント?
2022年4月9日付 韓国メディアがジャニーズのTravis Japanの米国留学に関心を示す
2022年3月28日付 Travis JapanがWorld of Dance Championship米国地区予選を3位で通過
2022年3月11日付 SixTONES京本大我率いる『京本会』中核メンバーはTravis Japanの3人、一緒に音楽活動をしてきた
2022年3月4日付 Travis Japanが渡米しLAでダンスレッスン、ボイトレ、語学習得
2021年9月6日付 Travis Japanが嵐『Love so sweet』ダンス動画をグループのみならず個人別でも公開、再生数格差がシビア
2021年9月1日付 Travis JapanがYouTubeダンスチャンネル/ SixTONESライブBD/DVD『on eST』2021年10月20日発売決定