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KinKi Kids

「KinKi Kids CONCERT 20.2.21」映像で2人のステージ復活に感動

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KinKi Kidsの2018年7月25日発売の「KinKi Kids CONCERT 20.2.21 –Everything happens for a reason-」ライブBlu-ray/DVDがフラゲ日の7月24日に到着し、その日と翌日にかけて全て視聴した。

(2018年7月)現在、堂本光一・剛はソロ活動で多忙だ。筆者も5月には念願の剛のENDRECHERIソロライブに行って来た。もちろんソロはソロで素晴らしいが、改めてKinKi Kidsのライブを観ると、これはこれでまた実にいい。

特に、収録された2017年12月の東京ドーム公演は、剛がまだ突発性難聴からの回復が思わしくなく、辛うじて何とか歌だけできる状態で、同時にダンスやギター演奏は無理な時期だった。それでも、何とかドームのステージに立てるまでになったのだ、ととても感動したことを思い出した。

ライブ本編に収録されているのは2017年12月17日の東京ドーム公演で、筆者はその前日の12月16日(初日)の東京ドーム公演に行っていた(ライブレポートは2017年12月17日付「KinKi Kids東京ドーム公演2017年12月16日、感動をありがとう」を参照)。収録された翌12月17日の公演は、セットリストは同じながら、MCの話題はかなり違っていた。

以下は映像作品を観た上での、MCを中心としたライブの感想だが、ネタバレを含む点に注意されたい。

剛の治っていない難聴に配慮しオーケストラによるアコースティック主体のライブ

この東京ドーム公演は、剛が2017年6月に突発性難聴を発症し、症状は当初より改善していたものの完治には程遠い状況でサウンド演出上いろんな制約がある中で、スタッフと共にあれこれ知恵を絞って実現したステージだった。剛本人が「二転三転、四転五転」と、準備の大変さを表現していた。

収録された12月17日公演のMCでも、剛はまだ突発性難聴が治っていないことを隠さず話していたが、筆者が行った前日のステージが成功裏に終わったことである程度自身を得たようで、前日に筆者が感じたような若干不安な様子はほとんど見られなかった。

剛は難聴の左耳をヘッドフォンで遮音しており、「無理して立ってますよ。ただ、無理してそれでも立ちたい場所とか、過ごしたい時間はあるじゃないですか。20回目をどうしても2人でドームで立ちたい」との想いを明かした。

サウンド演出の方針を「3カ月前とかに決めなきゃいけない」という状況だったため、東京ドーム公演の3カ月ほど前に剛は「アコースティックとかオーケストラでもしやって頂けるんだったら、たぶん行けるんじゃないかな」との結論を出していたそうだ。

こうして、フルオーケストラの演奏によるライブが実現した。堂本光一は「KinKi Kidsにしかできないコンサート」と胸を張った。「ペンライトもうちわもなしでお願いします」という告知をしていたが、アンコールのMCで、普段のコンサートのファン持参のうちわについて「オレのうちわ、『ハゲ』とかだもん」と笑っていた。

普段のKinKi Kidsのライブでも、2人の歌声はどことなく哀愁が漂うとともに、心が落ち着くα(アルファ)波が出ているんじゃないかと感じることもある。2017年夏の音楽番組でKinKi Kidsの歌を光一が剛以外の助っ人とコラボで歌った際に、KinKi Kidsの雰囲気ではないな、と感じたものだった。

今回のオーケストラ共演のライブは、さらに安らぎのサウンドとなっていた。光一は「お子さんがもしも寝てしまったら、『正解』ってことになります」、剛も「豪華な子守歌、α波が出てる」と、はっきり述べていた。

この12月の東京ドームライブの時点で、剛は「ボクはちょっと今、2つのことが一緒にできない」と明かした。このため、剛は歌いながら踊るとか、歌いながらダンスをする、ということができず、歌に集中し、ソロの1曲目は歌わずに軽く踊っていた。

通常のKinKi Kidsのコンサートでは東京ドームは5万5,000人程度の観客が入っているが、今回は光一によると、「花道ないんで6万人近く入ってらっしゃる」とのことだった。光一は光一・剛の写真を搭載したフロートを客席に移動させようかと提案したそうだが、あっさりと却下されたそうだ。

コンサートのタイトルに込められた想い

今回の2017年末~2018年元旦のドームライブ「KinKi Kids CONCERT 20.2.21 –Everything happens for a reason-」のタイトルについて、光一が解説した。

「20.2.21」の部分について、光一は「(KinKi KidsがCDデビューから)20周年、21年に向かって行くような中に、KinKiの2人の2がある」と解説し、ファンに向かって「お前らが喜びそうなヤツや!」と叫んだ。

さらに光一はサブタイトル「Everything happens for a reason」について、「起こることはすべて意味がある」という意味だと述べ、「僕が言ったんです。剛くんが調子悪くても、今やれることをやれば、そっから何か生まれることもあるんじゃないか、という思いを込めた」と明かした。

KinKi Kidsの20周年は、CDデビュー20年記念日の2017年7月21日の約1カ月前に剛が重度の突発性難聴を発症したことで、予想もつかなかった展開となった。

剛の耳が今なお元通りに戻っていないことは悲しいが、危機に瀕して剛もKinKi Kidsも多くの人に助けられ、愛されていることがよく分かった。もし剛が元気なまま20周年を通過していたら、こんなことにも気づかずに終わっていたかもしれない。

このため、光一・剛のKinKi Kidsの音楽活動に対する考え方も変わったようだ。剛は「すごい巨匠、ミュージシャンの方が我々に楽曲提供してくださいます。でも、僕らもやっぱり、そこに並ぶぐらいの曲だったり、それえを超えるぐらいの曲を作って行こう」との決意を明かした。

光一は「そういう気持ちでね」と言い、剛はさらに「そういう気持ちでやっぱりKinKi Kidsの音楽を愛していくってことは重要だと思うんです」と述べた。

頻度は不明ながら、今後も光一・剛が新たに作った曲をKinKi Kidsで歌っていく場面がありそうだ。

股ゴムの話題で14分

KinKi Kidsのコンサートはゆるく長いMCが有名だが、収録された12月17日のライブ本編のMCでは、光一の股ゴムの話題で、光一本人によると14分もの時間が費やされていた。

股ゴムとは、パンツのサスペンダーとちょうど逆で、激しいダンスで上着のシャツの裾がパンツのウエストベルトからはみ出さないよう固定するためにつないだ左右2本のゴムで、股を通っている。

光一が急いで着替える際に、股ゴムを外さないまま衣装係の人にシャツを引っ張られてしまい、光一が股のところで痛い思いをしたらしい。

剛はそんな事件が背後で起きていたとは気づかなかったそうだ。光一は観客に向かって、「君達がキュンキュンしてる間、オレは(手を頭上に上げて顔を引きつらせて)ギュッとなってることがある」と明かしていた。

剛のソロ1曲目がなぜ「PINK」と気づかなかったか、反省を込めて

筆者は今回収録された2017年12月17日の東京ドーム公演の前日の12月16日の初日公演に行ったが、唯一楽曲名が分からなかったのが、剛のソロコーナーの1曲目のインスト曲だった。

その後、音楽雑誌などで、この楽曲が剛の初期の有名曲の「PINK」だったと知って、それが判別できなかったことを深く反省した。

だが、言い訳になるが、改めて剛のソロコーナーの1曲目のパフォーマンスを視聴したところ、何度も聴いていた「PINK」には出て来ない、ちょっと昔のジャズロック風のOverture(序曲)っぽい部分が新たに加えてあって、これだけ聴いても「PINK」だとは全く想像がつかなかった。

途中で「PINK」のコード進行の音が現れてくるが、ボーカルが入っていないし、メロディーラインを何かの楽器でなぞることもないから、「PINK」だと分らなかった。堂本剛ファンなら、コード進行を聴いただけで気づくべきだ、と言われればその通りだと反省するしかないが。

筆者が行った12月16日公演では、この「PINK」インストバージョンに合わせて、剛はゆるやかな舞を踊ったという感じに見えた。だが、収録された12月17日公演の「PINK」インストバージョンでは、剛は激しい動きのダンスではないものの、割としっかりと踊っていた。

窓枠のような小道具を使っての演出もあったが、12月16日公演で全く同じことをやっていた記憶がない。もしかして演出を多少変えたのか、それとも単に筆者が忘れてしまっているだけなのかは分からない。

踊りの途中で何度か剛が難聴の左耳に手を当てて、憂いに満ちたような表情をする場面があった。聴力を奪われた悲しみをダンスに表現していたのだろうか。

歌とダンスのパフォーマンス

セットリストの各曲のコメントは既に前日・12月16日のライブレポート(2017年12月17日付「KinKi Kids東京ドーム公演2017年12月16日、感動をありがとう」を参照)に書いていたので、ここでは多くを書かない。

最後の「Anniversary CHASER」は退場際のインスト曲だと思ったので、筆者のセットリストには入れていなかったが、要は光一・剛がライブで登場して最初に歌ったのが「Anniversary」で、アンコールの最後に退場する時にも「Anniversary」のサウンドがあった(実際には「Anniversary」が「硝子の少年」に変わったタイミングで退場した)。

6万人近い観客だけで「もう君以外愛せない」のワンコーラス目を大合唱する場面があった。筆者の行った12月16日に、(中学時代は一応合唱部の臨時部員だった)筆者もステージから遠い席から大声で歌った。

12月17日公演で剛が観客の大合唱を再びリクエストした際に、「昨日のお客さん、めちゃめちゃ上手かった」と言ってくれたのが、何だかとても嬉しかった。自分が会場で歌った時は気づいていなかったが、あれだけ巨大な会場だから、どうしても音の時間差が生じてしまうんだ、と改めて分かった。

今回のライブBlu-ray/DVDの初回盤には、12月17日公演のソロ曲以外の主要曲とオーケストラのINTERのCDが含まれている。しかし、剛が観客の大合唱を「CDとかに録音したい」と言っていたにもかかわらず、今回初回盤に入っていたCDに「もう君以外愛せない」は、残念ながら含まれていなかった。仕方ないか。

剛は激しい動きのダンスはしなかったが、「愛されるより愛したい」では、光一が剛の真後ろの高いステージに上って、本格的にダンスをしながら歌っていた。これは、「薔薇と太陽」のMVを彷彿させる2人のポジションだった。ただし、剛はギターを弾いていない。

一方で、アンコールの「全部だきしめて」では光一のみがアコースティック・ギターを弾きながら歌い、剛は歌だけだった。光一が「(剛はギター、光一はダンスをした)『薔薇と太陽』の逆」と笑っていた。

ラテン風アレンジで始まった「硝子の少年」は、オーケストラのサウンドで盛り上がった。

やはり中南米系フォルクローレのテイストの入った「ボクの背中には羽根がある」では、ふぉ~ゆ~がキレのあるダンスを踊っている姿が結構アップで映っていた。ジャニーズJr.の少年たちでなく、迫力のある大人のダンサーのほうがKinKi Kidsの曲にふさわしいから、ふぉ~ゆ~が出演してくれてよかった。

光一は前日に続いて、この日も松崎祐介をからかっていたが、それでもふぉ~ゆ~について「本当に信頼している後輩です」と称えていた。

大阪公演の光一誕生祝など

今回のBlu-ray/DVD通常盤には、京セラドーム大阪での大晦日の年越しライブの年明け後の場面と、1月1日の光一の誕生祝いの場面の特典映像が収録されている。

年越しライブでは、「ジャニーズカウントダウン 2017-2018」の中継の後の映像で、光一が「急にテレビの人になった」と笑っていた。

その直後に光一が「東京じゃ、偉い人が観てるからできない」ことをやりたいと言い出し、警備やケータリングの担当者など、裏方のスタッフ多数をステージに呼び出して、「Happy Happy Greeting」のパフォーマンスを行った。

また、元旦公演の光一の誕生祝の場面では、剛が声をかけて、またもや前夜と同じ裏方のスタッフ多数をステージに呼んでいた。誕生日ケーキは大きな四角形の2段重ねで、上面に犬の絵が描かれていた。もちろん、オーケストラがHappy Birthdayの曲を奏でて、皆で歌った。

2018年5月5日放送のフジテレビ系「KinKi Kidsのブンブブーン」で、光一が照れ隠しなのか、この誕生祝について「仕事みたいなもんやないですか」とうっかり言ったところ、剛が真顔で「どんだけ人が動いていると思ってる?」と怒るような素振りを見せていた。

確かに途方もない大人数が参加した壮大な誕生祝だった。喧嘩っぽいところを見るとファンはギョッとするが、言いたいことが言えるのはいいことだ。来年は40歳か。


*KinKi Kidsの2018年7月25日発売の「KinKi Kids CONCERT 20.2.21 –Everything happens for a reason-」Blu-ray/DVDは2017年12月のフルオーケストラ参加の東京ドームコンサートの映像化商品。Blu-rayとDVDがそれぞれ初回盤と通常盤の2形態で販売。初回盤にはライブ音源からセレクトした全13曲(ソロ曲を除く)のLIVE CD –Grand Orchestra Mix- を収録。通常盤には京セラドーム大阪公演のみで披露したHappy Happy Greetingと光一Happy Birthdayの映像を追加収録。店舗により先着特典でミニポスターが付く。

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*KinKi Kidsの2017年12月6日発売のベストアルバム「The BEST」はデビュー曲「硝子の少年」から「The Red Light」までの両A面含むシングル全45曲をリマスタリング音源で収録。初回盤には2017年7月15・16日の横浜スタジアムでの20周年記念イベント「KinKi Kids Party!~ありがとう20年~」のダイジェスト版映像が収録されており、Blu-rayかDVDのいずれかを購入時に選択する。通常盤は2曲が追加収録され、うち1曲「Next to you」は宮沢和史氏書き下ろしの珠玉のバラード。「The BEST」のレビューコメントは2017年12月6日付「KinKi Kids『The BEST』初回盤『KinKi Kids Party!』に感動」を参照。

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