KinKi Kidsはこれまで解散・活動休止を回避してきた、今後は剛の耳と2人のやる気次第か

嵐が2020年末をもってグループ活動を休止すると発表したため、次に活動休止になりそうなグループはどこだろうという議論が活発になっており、その候補の一つがKinKi Kidsと述べている記事もある（日刊ゲンダイの2019年3月3日付「嵐活動休止で次なる独立&解散は『関ジャニ』か『KinKi』か」を参照）。

以下はKinKi Kidsのファンである筆者の個人的考察だ。

KinKi Kidsは2人組という人間関係的に難しい体制で20数年活動してきた。しかも堂本光一・剛ともそれぞれ舞台とシンガーソングライターというソロ活動が充実していたため、剛の2002年から始めたソロ活動が軌道に乗るにつれて、一部のファンの間でKinKi Kidsの解散観測がことあるごとに出るようになっていった。

一部のファンの過剰反応もあったにせよ、火のないところに煙は立たないわけで、光一と剛の仲がぎくしゃくしていて息苦しいのではないかとファンが感じてしまうような空気が、2人の間に流れていたこともあった。

実際光一は、過去にジャニー氏にKinKi Kidsを辞めたいと相談したことがあったと、自身の「日経エンタテインメント！」の連載で明かしていた。一方、剛は単独で出演した番組で、軽いノリで、本当は全部一旦やめて故郷の奈良に住みたいという理想論を話していたことがあった。

2人ともどこまで本気でやめることを考えていたのかは分からないが、ジャニー氏に諭されたのか、やっぱりやめるのはもったいないと思い直したのか、結果的にはKinKi Kidsの解散や活動休止という選択をせずにきた。

剛の突発性難聴発症は転機

しかし、20周年イヤーのクライマックスに入りかけた2017年6月に、剛が突発性難聴を発症し、KinKi Kidsを巡る環境は一変した。

その後も剛は後遺症による音響障害で、ドームクラスの公演での音圧に耐えられない状態が続いており、ある種の音域の楽曲も歌いづらくなってしまった。ただし、剛はより小規模なコンサート会場で慎重に選曲したライブならできる。

このため、KinKi Kidsが活動休止となりかねない要因は、従来の(1) 2人のやる気がなくなること、(2) 2人が修復不能な不仲になること、に加え、(3)剛の耳の問題、の3つとなった。

ジャニーズ事務所から見れば、優等生グループのKinKi Kidsを切り捨てる理由はほとんどないはずだ。

KinKi Kidsはデビュー後21年を経過しても、全シングルがオリコン1位を獲得しており、歌が下手で口パクも多いと批判されがちなジャニーズで、最も音楽性の高いグループとして世の中から一目置かれていて、不祥事もなく好感度も高い。

このような事務所の誉れとなっているグループを、事務所自ら切り捨てれば、比較的おとなしいと言われるKinKi Kidsファンもさすがに憤慨するだろうし、世間から非難されるのは事務所だ。

光一と剛の関係性

光一と剛の関係性を冷静に観察していると、プライベートな友情関係はないとみられるが、互いが嫌いというわけでもなく、プロとして認め合っている、というふうに見える。

2人とも、それぞれのソロ活動の時のほうがKinKi Kidsの活動時よりも活き活きして見えるし、KinKi Kidsの相方とは違って、いろいろ話せる友人がソロ活動の仲間にいるのは確かだ。

しかし、だからと言って2人がKinKi Kidsの活動をないがしろにする気はない。いかにもやる気がなさそうに見えるようになったら、もうやめたほうがいいと思う。

だが、実際には2人は今もKinKi Kidsとしてステージに立てば、プロとして見事なパフォーマンスをして、聴く者を感動させることができる。これがKinKi Kidsの存在意義であり、その存在意義は今も健在だ。

剛の耳の問題を理由とするKinKi Kids活動休止は現実的か？

では、剛の耳の問題を理由とする活動休止に現実味はあるだろうか？

この点、イベントが盛りだくさんだった20周年イヤーの前の何年間を振り返ると、KinKi Kidsは年末年始のドーム公演くらいしかコンサートをしておらず、CDリリースの頻度もシングルは年1回など、かなり少なくなっていた。

最新シングルは2018年12月19日発売（「会いたい、会いたい、会えない。」）だが、過去の例に鑑みると、その後1年くらい間隔が空いても、KinKi Kidsには決して珍しいことではない。

2019年末にKinKi Kidsとしてコンサートができるようになるまで剛の耳が回復できるかどうか見極める段階にあるというのであれば、敢えて活動休止宣言をするまでもないだろう。

しかし、あまり考えたくはないが、光一・剛がKinKi Kidsの活動を、音楽活動以外も全て休止したいと望むようになれば、割と簡単に実現してしまいそうなのが怖い。

視聴率が高いとも思えないから、レギュラーのテレビ番組（フジテレビ系「KinKi Kidsのブンブブーン」）を打ち切りにして、後輩の別番組に譲ることは、2人が望めば事務所も乗っかって即決しそうだ。

解散となると、個人でKinKi Kidsの歌が歌いにくくなるし、2人の映像も使いにくくなるなど、大きすぎる決断だから、解散よりは活動休止のほうが可能性があるだろう。

なお、KinKi Kidsの活動の縛りがなくなれば、剛は奈良に移住するかもしれない。普段は奈良の自然に囲まれて生活しながら聴力回復に努め、ソロ活動の仕事のたびに都会に出て来る、というパターンが考えられる。

ジャニー社長が引退したらまた状況が変わる公算も

ただし、以上の考察は、将来ジャニー社長が引退していなくなった後は、違ってくるかもしれない。

KinKi Kidsはおそらく現役グループの中で、最もジャニー社長と仲よしとみられる。ジャニー氏がいなくなった後も2人がKinKi Kidsを続けて行くモチベーションを維持し続けられるかどうかには不透明感がある。また、剛にとっては、ジャニーズに残りたいかどうかすら不透明になるかもしれない。

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