NEWS「WORLDISTA」感想―凝った曲、ファンに大切な曲が揃った力作

NEWSの2019年2月20日発売の10thアルバム「WORLDISTA」がフラゲ日の2月19日に届いたので、早速視聴した。

映像もサウンドも凝っていて、楽曲もいろんなジャンルの楽曲が揃っており、聴きごたえのある力作だった。ファンにとって大事な記念の曲や初のクリスマスソングもある。

本作はアルバム4部作の3作目に当たる。4部作とは、頭文字がN・E・W・Sで始まる各アルバムのことで、N：「NEVERLAND」（2017年3月）、E：「EPCOTIA」（2018年3月）、W：「WORLDISTA」（2019年2月）の順にリリースされた。

作品ごとに独特のテーマ・世界観がある。「NEVERLAND」はファンタジーの世界、「EPCOTIA」は宇宙旅行で、今作「WORLDISTA」は仮想空間だ。各アルバムにはINTERと呼ばれるナレーションが入っていて、リスナーを導いてくれる。

以下はネタバレを含む点に留意されたい。

「WORLDISTA」の初回盤のDVDには「WORLDISTA Ver.10」と題するドラマ的映像と、そのメイキング映像が収録されている。

「WORLDISTA Ver.10」では、NEWSの4人がWORLDISTAのアイギアを装着して、仮想空間に向かうところまでが描かれている。正直な感想としては、え、もう終わり？　もっと観ていたかった。その分、メイキング映像が充実していた。

収録曲それぞれの感想は、以下に個別に述べた。既にシングルリリースされた曲もいくつかあるが、再度聴いた感想を述べているので、シングル発売時のコメントとは印象が違っているものもあるかもしれない。

タイトルの横の星（☆）の数は、最低2回以上聴いた時点での、筆者の個人的な好き度合いだ。新曲の場合はまだ2～5回程度しか聴いていないため、今後聴き込んでいくと好みが変わる可能性もある。

なお、パンフレット（ブックレット）に暗号が隠されているそうだが、筆者はまだ発見していない。

「WORLDISTA」収録各曲の感想

1. ログインシークエンス -INTER- （語り）

2. WORLDISTA [新曲 ☆☆]

作詞: ヒロイズム、作曲: 中西亮輔 & ヒロイズム、編曲: 中西亮輔 & 黒田賢一 & 芳賀政哉

壮大でドラマティックなテーマ曲。「NEVERLAND」「EPCOTIA」同様、ヒロイズムと中西亮輔を中心に作詞作曲している。前2作よりも、テンションや寂寥感が強め。

3. オリエンテーション -INTER-（語り）

4. DEAD END [新曲 ☆]

作詞作曲編曲: TAKA3

アップテンポでジャニーズ・ポップなロック。

5. CASINO DRIVE [新曲 ☆☆☆]

作詞:AKIRA、作曲: Takuya Harada & Josef Melin、編曲: Josef Melin

お洒落で気どった、ちょっとレトロで哀愁の感じられる、それでいてビートの利いたダンサブルな曲。イントロのギターのリフがキャッチーで耳に残る。

6. インビジブル・ダンジョン[新曲 ☆☆☆]

作詞: 栗原暁 (Jazzin’park) 作曲: ☆Taku Takahashi (m-flo) & Mitsunori Ikeda (Tachytelic) & 栗原暁 (Jazzin’park) & 久保田真悟(Jazzin’park)、編曲: ☆Taku Takahashi (m-flo) & Mitsunori Ikeda (Tachytelic)

テクノっぽい電子音楽で凝ったサウンド。歌声がボコーダーで若干加工してある。筆者はm-flowの曲をほとんど知らないが、この曲はアルバム「EPCOTIA」のm-flow系作家の曲の雰囲気と似ているから、m-flow系の曲だと分かる。

実は当初、この曲には星2つ（☆☆）を付けていたが、2019年3月1日のbayfm78「増田貴久 MASTER HITS」で増田が大好きなこの曲をPRした後に聴き直して、なかなか凝っていて奥深い曲だと思って星3つ（☆☆☆）に変更した（増田のコメントは2019年3月2日付「増田貴久、アルバム『WORLDISTA』のm-floテイスト『インビジブルダンジョン』が大好き」を参照）。

上手く歌うには難しい曲だと思うが、歌唱力のあるテゴマスだからこそ、細部まで歌いこなせているのだろう。

7. 第一チェックポイント -INTER-（語り）

8. SPIRIT [新曲 ☆☆]

作詞作曲: ヒロイズム、編曲: ヒロイズム & U-KIRIN & 中西亮輔 & 黒田賢一

日本テレビ系FIFAクラブワールドカップ UAE 2018テーマソング。次の曲（「BLUE」）同様、ヒロイズムによるサッカーソングだが、こちらはトップを目指す野心・心意気を感じさせる、荘厳で高揚感のあるパワフルな楽曲だ。

増田貴久は自身のラジオ番組で、NEWSの「一曲NEW魂!!!!」ロケで崖の山に登った恐怖体験の直後にこの曲のレコーディングがあり、歌詞に「頂へ FLY HIGH」とあって戸惑ったことを話していた。

9. BLUE [☆☆☆]

作詞作曲編曲: ヒロイズム

日本テレビ系サッカーワールドカップロシア2018テーマソング。前の曲（「SPIRIT」）同様、ヒロイズムによるサッカーソングで、既にシングルリリース済み。こちらの曲は疾走感がすごい。

10. FIGHTERS.COM [新曲: ☆]

作詞: AKIRA、作曲: AKIRA & 高橋諒

ハードロック、というかヘビーメタルな曲。いきなり手越祐也が絶叫するように歌って始まる。増田の力強いラップも入る。ずっとハイテンション。

11. 発表会 -INTER-（語り）

12. Digital Love [新曲 ☆☆☆]

Track 6「インビジブル・ダンジョン」と全く同じ作家陣で、こちらのほうがさらにテクノっぽい打ち込みのサウンドだが、ポップでグルーヴ（ノリ）がよく、メロディーの要所がキャッチーだ。歌声がボコーダーで少し加工してある。後半の間奏直後の手越の歌声がいい。

13. リボン [新曲 ☆☆☆]

作詞: Hacchin’ Maya、作曲編曲: Kaco

シンプルだが美しいバラード。ピアノ伴奏のみで、ソロのリレーが多く、テゴマスの歌唱力が活きている。特に増田のソフトな声によく合っている曲。

14. クイズ -INTER-（語り）

聴いていて思わず参加したくなるNEWSに関するクイズ。最後の質問の答えが次の曲に直結。

15. サンタのいないクリスマス [新曲 ☆☆☆]

作詞: ヒロイズム & Hacchin’ Maya、作曲編曲: ヒロイズム & Nate “Impact” Jolley

ファンに嬉しいNEWS初のクリスマスソング。ハートフルで温かくポップなラブソング。

16. Strawberry [☆☆☆]

作詞: NEWS、作曲: ヒロイズム

NEWSの4人が分担して作詞を担当し、NEWSの4人の歌声を知り尽くしたヒロイズムが作曲を担当した。NEWSの結成15周年記念曲で、ファンにも大切な曲。伴奏はアコースティックギターと、途中から加わるストリングスのみ。シングル「生きろ」の期間限定盤（15th Anniversary BOX）に収録されていた。

17. 「生きろ」[☆☆☆]

シングルリリース済みで、加藤シゲアキ主演ドラマ「ゼロ一獲千金ゲーム」主題歌。いろいろあったNEWSの苦境から立ち直ろうとする姿に重なる、力強いメッセージソング。

18. エンディング-INTER-（語り）

パンフレット（ブックレット）に暗号が隠されている、と述べている。

（ここから通常盤ボーナストラック）

19. Symphony of Dissonance (増田貴久ソロ曲) [新曲 ☆☆☆]

作詞作曲: Ryohei Yamamoto、編曲: ☆Taku Takahashi (m-flo) & Mitsunori Ikeda (Tachytelic)

前作「EPCOTIA」の増田ソロ曲「Tnunder」と全く同じ作家陣による、ドラマティックな曲で、エモ・ヒップホップやテクノポップ的なところもある。増田が情感豊かに熱唱している。テクノっぽい曲でもあるからボコーダーで声が少し加工してあるが、個人的には増田のそのままの声でも良かったのにと思う。

実は、初めこの曲を数回聴いた段階では星2つ（☆☆）を付けていたのだが、その後増田が自身のラジオ番組でこの曲について解説し、歌い方にも気を配ったと話したのを踏まえ、再度聴いて星3つ（☆☆☆）に変えた（増田のコメントは2019年2月23日付「増田貴久、NEWSアルバム『WORLDISTA』とソロ曲『Symphony of Dissonance』をPR」を参照）。

20. DoLLs (手越祐也ソロ曲) [新曲 ☆☆]

作詞: TAKA3、作曲: 手越祐也、編曲: 高橋諒

手越が作曲を手掛けたハードロック・テイストの曲。ギタリストにMarty Friedmanが加わっている。イントロでベースが激しく動いていて面白い。手越はハードロックが歌いたいようだが、手越の卓越した歌唱力が活きているのは、むしろ後半の情緒的なアカペラ部分のような気がする。

21. Going that way (小山慶一郎ソロ曲) [新曲 ☆☆]

作詞: ヒロイズム、作曲: ヒロイズム & 芳賀政哉、編曲: 芳賀政哉

エレクトリック・ダンス・ミュージック(EDM)の打ち込み曲。ヒロイズムのNEWSへの提供曲はポップなものやクラシック寄りのテーマ曲が多いから、こういういかにもEDMというのが逆にやや新鮮に感じられた。

22. 世界 (加藤シゲアキソロ曲) [新曲 ☆☆☆]

作詞作曲: 加藤シゲアキ、編曲: 中西亮輔

加藤は2013年リリースのアルバム「NEWS」以降、アルバム6作連続で自分で作詞作曲した曲をソロ曲として歌っている。作詞家・作曲家としての加藤の進化を、毎回楽しみにしている。

前作「氷温」はラブソングだったが、今回はメッセージソングだ。ポップだが渋さもあり、R&Bフレーバーもあるサウンドに仕上がっている。毎回編曲を中西亮輔が担当しているが、今回は斬新に加藤のアカペラで始まり、アコースティックギターの伴奏が加わり、次第に楽器の数が増えている。

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