NEWS「トップガン/Love Story」感想―見ごたえ聴きごたえ十分でアーティスティック

（目次）・TOP
・「トップガン」は自分の士気を上げて頑張りたい時に聴くといいかも
・「トップガン」のMVは、妖しくシュールで過酷なアート作品
・「Love Story」は王道すぎラブソングにファン大合唱入り、大いにプロモートすべき
・「Love Story」の個人別MVはファンには貴重
・通常盤「Dragonism」はNEWSのアーティスト性を際立たせるm-flo系の曲
・商品情報

NEWSの2019年6月12日発売の両A面シングル「トップガン/ Love Story」がフラゲ日の6月11日に到着した。

既にbayfm78「増田貴久 MASTER HITS」で「トップガン」「Love Story」を1コーラスだけでも何度か聴いていたし、増田貴久がさまざまな予告・解説をしていたが、それでも初回"トップガン"盤、初回"Love Story"盤、通常盤とも見ごたえ・聴きごたえがあった。

イケイケ・アッパー・チューンの「トップガン」は、自分の士気を上げて頑張りたい時に聴くといいかもしれない。

「トップガン」のミュージックビデオ（MV）は、花に埋もれた裸体のセクシーさ、シュールなイラスト、水に足が浸かった状態での過酷なダンス、というすごい世界観のアート作品だった。

王道ラブソングの「Love Story」は、耳に馴染みやすいから、もっとテレビ等でプロモートすべきだと思う。

「Love Story」の個人別MVは、各々のファンにとっては貴重な映像だ。

通常盤収録の「Dragonism」は、アイドル的な表題曲とは打って変わって、NEWSのアーティスト性を際立たせるm-flo系の曲だった。通常盤を買ってよかった。

以下、ネタバレを含む点に留意されたい。

「トップガン」は自分の士気を上げて頑張りたい時に聴くといいかも

収録曲は全3形態共通の「トップガン」「Love Story」の両表題曲と、それぞれ異なるカップリング曲が収録されている。

「トップガン」は、加藤シゲアキがゲスト出演したテレビ東京系ドラマ「よつば銀行原島浩美がモノ申す！～この女（ひと）に賭けろ～」のオープニングテーマ曲だったから、悪と戦うたくましい中間管理職の女性銀行員のお仕事ドラマの世界観に合った、イケイケの攻めの曲だ。

「トップガン」はNEWSを知り尽くしたヒロイズムの作曲・編曲で、サウンド的には、「チャンカパーナ」「EMMA」の路線のJ-POPのアッパー・チューンだ。しかし、お仕事ドラマということもあって、「チャンカパーナ」「EMMA」のような色気はなく、代わりに困難に立ち向かう意志の強さや、ヒューマンドラマ的なフレーバーを醸し出している。

「トップガン」にはある分野でトップに立つすごい人という意味もあり、ドラマを観た人は、真木よう子が演じたヒロインの原島浩美のことを思い浮かべるだろう。

ちなみに、2019年6月11日発売の「サンデー毎日」のインタビューで、NEWSのメンバーたちは個人的にトップガンだと思ったすごい人を尋ねられ、加藤シゲアキは武田鉄矢、小山慶一郎は飛行機が大好きなのでパイロット、手越祐也はサッカーのアルゼンチン代表のメッシ（さらにゴルフも大好きと言っていた）、増田貴久はデザイナーのポール・スミス、と答えている。

NEWSファンも、仕事などで困難にぶち当たった時に、この曲で自分の士気を高めて頑張ろうという気持ちになりたい時に聴くといいかもしれない。

「トップガン」のMVは、妖しくシュールで過酷なアート作品

初回"トップガン"盤のDVDに収録されている「トップガン」のミュージックビデオ（MV）の冒頭部分には、度肝を抜かれた。

NEWSの4人が別々に、花を敷き詰めた寝床に上半身裸で埋まっていた。もしや蜷川実花監督、と思ったが、メイキング映像での加藤と増田のコメントによると、これまでNEWSのMVに何度か関わっている、映像ディレクターの田向潤氏だった。

30代の大人の男性であるNEWSの4人が、裸で花に埋もれてる映像とは、セクシーを通り越して生々しいかも……と初めはひたすら驚いた。しかし、田向監督は単なるセクシーなお花畑映像を創るつもりは、毛頭なかった。

突如、NEWSのメンバーが横たわっている花床の床面が現れ、そこには巨大な目が描かれていた。シュールだった。何とも言えない世界観のアート作品だった。

しかも、次は花の寝床が、水を張った小さな子供用の長方形のプールみたいになった。そこで、ユニフォームのような衣装を着たNEWSの4人は、足首から先が水に浸かったまま、ダンスを踊らされていた。時折水しぶきを散らしながらのダンスで、なかなか過酷だった。

メイキング映像で小山が、みんなだんだん疲れて口数が少なくなっていった、と語っていたのは、この過酷さのせいだろうか。

「Love Story」は王道すぎラブソングにファン大合唱入り、大いにプロモートすべき

もう一つの表題曲「Love Story」は、NEWS史上最もピュアなラブソング、という触れ込みだ。

今までもNEWSはラブバラードをリリースしているが、名曲「恋を知らない君へ」はドラマの世界観に沿った楽曲だった。

「Love Story」はGREE「NEWSに恋して」のCMソングだから、とにかくひたすらラブソングということになる。

歌いだしは手越がサビを歌っている。筆者は手越はジャニーズでトップクラスの歌唱力だと確信しているが、2019年6月11日発売の「サンデー毎日」のインタビューで、手越は「出だしは曲の"表情"になるから、すごく練習しました」と述べている。世間的にはチャラチャラしているように見られがちだが、実はすごく努力しているのだ。

「増田貴久 MASTER HITS」でも紹介されたが、「Love Story」がまだ楽曲として完成していなかった段階の、年末年始のドーム公演でのファンの「♪ラララ」の大合唱の歌声が、この曲の間奏に挿入してある（2019年5月25日付「増田貴久、『トップガン/Love Story』衣装担当、『Love Story』にファン大合唱音声」を参照）。

間奏部分のファンの大合唱は実際の「Love Story」とキーが少し違うが、ごく自然な転調に聞こえて、全く違和感がない。

この曲は筆者も行った、リリース前の5月の「WORLDISTA」さいたまスーパーアリーナ公演でも、その場でVTRを観て手の簡単な振付と一緒にメロディーを何度か聴かされ、覚えさせられ、歌わされた。すんなり覚えられる割と簡単なメロディーだった。

「Love Story」は耳に馴染みやすいから、大いにテレビの音楽番組等でプロモ―ト（PR）すべきだと思う。