SixTONES『マスカラ』初日1位、売上は3作ぶり高水準/ シングル感想/ 世界進出に必要なもの

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・シングル『マスカラ』初日売上は3作ぶりの高水準、King Gnu常田大希起用が奏功
・シングル『マスカラ』感想―振付は今回もサンチェ氏、表題曲は難曲、カップリングも良曲揃い
・SixTONESが世界進出して成功するために必要なもの
・商品情報

SixTONESの2021年8月11日（水）発売の5thシングル「マスカラ」のフラゲ日・8月10日の売上は、オリコン調べで推定35万3,884枚で、デイリーシングルランキングで断トツの初登場1位を獲得した。

シングル『マスカラ』初日売上は3作ぶりの高水準、King Gnu常田大希起用が奏功

この初日売上の35万3,884枚は、同じ3形態販売だった前作の2021年2月27日発売の4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」の30万663枚（初週売上は43万553枚）を約5万3,000枚（18％）上回った。

また、前々作の2020年11月発売の3rdシングル「NEW ERA」の初日売上の31万1,764枚（初週売上は44万6,443枚）をも上回ったが、2020年7月発売の2ndシングル「NAVIGATOR」の42万3,202枚（初週売上は62万1,656枚）には遠く及ばなかった。

デビューシングル「Imitation Rain/ D.D.」はSnow Manとの共作で、SixTONES単独シングルの初作品「NAVIGATOR」にお祝儀買いが入ったのであれば、その後のシングルの売上が「NAVIGATOR」に届かなかったのは仕方がない。

今作「マスカラ」表題曲はKing Gnuおよびmillennium paradeの常田大希による提供曲で注目を浴びたことで、初日売上の前作比増加につながったと思われる。ただし、King Gnuファンの一部はCDシングル「マスカラ」を購入したかもしれないが、配信ならともかく、CD購入のハードルは高いとみられる。

ジャニーズの他の若手グループの中には、全形態まとめ買いでオンラインイベントに招待というイベント特典で売上を大幅に伸ばしたところもあるが、SixTONESの今作にはイベント特典も3形態まとめ買い特典もないため（視聴特典は各形態ごとに異なるメンバー2人の短いトーク動画）、特典商法が売上に大きく影響したわけではない。

シングル『マスカラ』感想―振付は今回もサンチェ氏、表題曲は難曲、カップリングも良曲揃い

今作シングル表題曲「マスカラ」は、既にミュージックビデオ（MV）や音楽番組でのパフォーマンスでお馴染みとなっているが、常田大希提供曲だけあって難度が高く、感傷的で洗練されたサウンドで、京本大我やジェシーを筆頭に歌唱力のあるSixTONESだから歌いこなせた曲だと思う。ジャニーズの他のグループが、同じくらい歌いこなせるとは思えない。

この曲のイントロ部分のダンスの振付は、エレキギターをかき鳴らすような動きが入っていて、傷ついた男性の心が解放されていくさまを表現しているという。

クレジットを見ると、この曲の振付を担当したコレオグラファー（振付師）は、「Sanche」とある。つまり、長らくジャニーズJr.たちのダンスの先生でもあったサンチェ氏だ（と思う）。サンチェ氏は、ドスのきいた振りが印象的なデビュー曲「Imitation Rain」をはじめ、SixTONESの他の曲の振り付けも担当している。

プロデューサーには、ジャニーズの副社長である滝沢秀明の名前が明記されているが、タッキーはSnow Manのダンスのような世界的に有名もしくはK-POPで人気の振付師ではなく、長年SixTONESをみてきたサンチェ氏を起用し続けている。

シングル「マスカラ」のカップリング曲は、どれも洗練されていて良い曲が揃っていると思う。特に「フィギュア」はめっちゃいい。トレンドのボカロ曲っぽい、流れるようでリズミカルなサウンドが盛り上がって行き、ちょっとジャジーなピアノなどの楽器音もいい。

このほか、全編英語詞の「Make Up」はちょっと感傷的かつポップで、ビートが利いている。「Lost City」はエモいし、ドラマティックだ。「僕が僕じゃないみたいだ（Dramatic Rearrange）」は、リズム隊（ドラム、ベース）抜きで、ピアノと弦楽器でバッキングしていて、アコースティックもしくはUnpluggedなサウンドだ。歌声のハモリがきれいだ。

SixTONESが世界進出して成功するために必要なもの

ジャニーズで最初に米国市場を含む世界進出を果たすのは、今のところSixTONESかKing & PrinceかSnow Manのうちのどれかではないかとみられている（Travis Japanは世界に通用するグループとして結成されたものの、未だにデビューできていない）。

筆者が見たところ、たとえばキンプリのファンの中には、まずSixTONESで試してみて、成功したらキンプリが続けばいい、くらいに思っている人がいる。

世界に進出と言っても、単に外国に行くだけでなく成功する、つまり欧米を含むワールドツアーを成功させ、米国のチャートにランクインするところまで狙うのであれば、簡単ではない。団体ツアーで日本から動員したファンが観客のほとんどを占める現地コンサートばかりだと、何のための世界進出か、と呆れられるだけだ。

日常的にK-POPに触れている筆者の個人的な意見としては、パフォーマンス面では、SixTONESは歌唱力は（英語の発音ができれば）問題ないが、ラップとダンスがもう少し向上できたら自信が持てるのではないか、と思っている。

ボーカルに関しては、京本大我の圧倒的歌唱力があり、ジェシーも上手だし、他のメンバーもジャニーズとしては上手なので、英語を正しく発音して歌えれば、世界でも通用するだろうと思っている。

田中樹のラップについては、2021年7月14日の「FNS歌謡祭夏」で今やヒップホップの大御所となったCreepy Nutsとコラボした際には、実力の差が明らかとの指摘がSNSで見受けられた。Creepy NutsのラッパーのR-指定は、MCバトル大会で3年連続日本一となった実力者だから仕方がない。それでも、田中は今後もっと上に行けると思う。

SixTONESのグループの課題はダンスかもしれない。今さら10代の少年のように激しい動きのダンスに積極的にチャレンジする必要はないし、別の魅力で勝負すればいいとは思うが、世界的にはやっぱり振りがキレイに揃わないと「はあ？」と思われる可能性が高い。髙地優吾君、頑張ってください。

一方、ハイレベルなパフォーマンスは必須条件だが、パフォーマンスさえ上手なら米国を含む世界で成功できるかというと、そう簡単な話でもない。

国を問わず、スターのオーラもしくはカリスマ性や唯一無二の個性を備えたメンバーがいて聴衆を魅了する必要があるし、アイドル路線で行くならビジュアルと親しみやすさでいろんな国の女の子を惹きつけられることも大事だ。

そもそも、米国に進出するなら、その前にSNS活用などで米国のファンダム形成を始めておけば、スムーズに現地のコンサートもソールドアウトにでき、チャートにもランクインできる。

英語のテレビ番組などのメディア・インタビューに通訳を介さずに答えられるメンバーがいれば、直接発信できるから、絶対的強みとなる。世界的に活躍しているK-POPグループには大体、英語が流暢なメンバーが最低1人は配置されている。

日米ハーフのジェシーが英語が話せることがSixTONESの強みだ。ただし、ジェシーは日本の学校で教育を受けてきたので、記者会見や英語の番組インタビューで、難しい語彙の混じった突っ込んだ質問にも英語で流暢に答えられるのか、筆者には分からない。

SNSでの世界に向けた発信は、まだ十分とは言えない。ジャニーズの英語の公式ツイッターはスタッフが更新しており、英語の文章は翻訳者が書いている模様だ。英文は極めて事務的だ。

たとえばBTSなどは、メンバーがツイッターアカウントを持っていて自ら頻繁に投稿して、世界中のファンとの距離を縮めるのに成功してきたし（韓国語の投稿でも読者はGoogle自動翻訳などで自国語に変換できる）、近年は登録した世界中のファンと直接書き込みで交流できるコミュニティープラットフォームも運営している。しかし、ジャニーズがそういうスタイルを採用するとは思えない。

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商品情報

*SixTONESの2021年8月11日（水）発売の5thシングル「マスカラ」表題曲は、King Gnuおよびmillennium paradeの常田大希による提供曲の切ないラブソング。シングル「マスカラ」はDVD付き初回盤A、DVD付き初回盤B、CDのみの通常盤（初回仕様有）の3形態で販売。初回盤Aのカップリング曲は「Make Up」で、DVDには「マスカラ」のミュージックビデオ（MV）、MVメイキング、MVソロアングルの映像を収録。初回盤Bのカップリング曲は「フィギュア」で、DVDには「フィギュア」のMVを収録。通常盤のカップリング曲には「フィギュア」「Lost City」「僕が僕じゃないみたいだ（Dramatic Rearrange）」を収録。通常盤初回仕様分には20Pフォトブックレットを封入。

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*SixTONESとSnow Manのコラボ作品となる2020年1月22日発売のデビュー両A面シングル「Imitation Rain/D.D.」は、Sony MusicからはSixTONES仕様で名義がSixTONES vs Snow Manの、「Imitation Rain/D.D.」初回盤[CD+DVD]、with Snow Man盤[CD+DVD]、通常盤[CD]の3形態をリリース。avexからはSnow Man仕様で名義がSnow Man vs SixTONESの「D.D./Imitation Rain」初回盤[CD+DVD]、with SixTONES盤[CD+DVD]、通常盤[CD]の3形態をリリース。

SixTONES仕様（SixTONES with Snow Man名義）の「Imitation Rain/D.D.」の初回盤のCDにはSixTONESデビュー曲「Imitation Rain」（YOSHIKI提供）とSnow Manデビュー曲「D.D.」を収録し、DVDにはSixTONESデビュー曲のミュージックビデオ（MV）およびメイキング映像（Snow Manも出演）とSixTONESライブ映像を収録。with Snow Man盤のCDにはSixTONESデビュー曲とSnow Manデビュー曲を収録し、DVDには撮り下ろし特典映像AおよびB（SonyMusic ver.）を収録。通常盤にはSixTONESデビュー曲とSnow Manデビュー曲に加え、SixTONESのカップリング曲2曲、SixTONESデビュー曲カラオケ、トークトラック（SonyMusic ver.）を収録。

Snow Man仕様（Snow Man with SixTONES名義）の「D.D./Imitation Rain」初回盤のCDにはSnow Manデビュー曲「D.D.」とSixTONESデビュー曲「Imitation Rain」を収録し、DVDにはSnow Manデビュー曲のMVおよびメイキング映像（SixTONESも出演）とSnow Man DANCE映像を収録。with SixTONES盤のCDにはSnow Manデビュー曲とSixTONESデビュー曲を収録し、DVDには撮り下ろし特典映像AおよびB（avex ver.）を収録。通常盤にはSnow Manデビュー曲とSixTONESデビュー曲に加え、Snow Manのカップリング曲2曲、Snow Manデビュー曲カラオケ、トークトラック（avex ver.）を収録。