「堂本剛東大寺LIVE 2018」感想―光も音も幻想的で素晴らしい、涙で歌えなかった場面も

堂本剛の2019年4月10日発売の「堂本剛東大寺LIVE 2018」Blu-ray/DVDのBlu-rayがフラゲ日の4月9日に到着したので、早速視聴した。

筆者は行けていないが、NHK「SONGS」でも取り上げられるなど、話題になっていたライブだった。この映像作品で、光も音も幻想的で素晴らしいライブの感動を味わうことができて、とても嬉しかった。

なお、今作の初回プレス分には、2019年4月30日23時59分までの期間限定で視聴できる特典映像が、ストリーミング配信されている。1つのIDにつき、1か所のブラウザでしか観られない。

まだ買おうかどうしようか迷っている人には、せっかくだから、この特典映像が視聴できる期間内に購入することを勧めたい。

この特典映像は約26分の尺で、ファンにはライブでお馴染みの7人のバンド仲間と剛とのロケ企画だ。

筆者は一流ミュージシャンをバラエティータレント扱いすることには反対だが、今回のロケは、楽しく笑える場面もあったし、何よりも剛と音楽仲間たちの和気あいあいとした仲の良さが伝わってきて、いい企画だったと思う。剛のMCもさすがだった。

参加したバンドメンバーは、Gakushi（キーボード）、十川ともじ（キーボード）、鈴木渉（ベース）、森多聞（ベース）、白根佳尚（ドラム）、ステーヴエトウ（パーカッション）、竹内朋康（ギター）だった。

以下、ネタバレを含む点に留意されたい。

光もサウンドも幻想的な、独特のライブ

今回映像化された2018年9月15日の「堂本剛東大寺LIVE 2018」に、筆者は行けていなかったが、2018年9月29日放送のNHK総合「SONGS 第470回堂本剛奈良の魂が奏でる音」の後半で特集されていた（2018年9月30日付「NHK『SONGS 堂本剛』―剛もファンも泣いた感動の東大寺ライブは必見」を参照）。

やはりライブ全体の映像は、見ごたえ・聴きごたえがあった。

剛は2018年のENDRECHERIと同じく、タンクトップで、音響障害の左耳の音をオフにする紫色の特注ヘッドフォンを装着して登場した。

今回は光の演出に加え、楽器のエフェクター使用などサウンドの演出も、全てが幻想的で、見たことのない景色と想像もつかなかった音の、独特のライブだった。改めて、ミュージシャンの皆さんは、やっぱりプロ中のプロなんだな、と思った。

何しろ、バックには奈良・東大寺の巨大な廬舎那仏（大仏）が鎮座しているのだ。筆者は個人的には、東大寺の大仏は子供の頃の修学旅行と、大人になってからと、2回見に行った経験があるが、初めて見た時の衝撃は大きかった。そんな凄い画のライブだ。

オープニング曲となった2012年発売のアルバム「shamanippon-ラカチノトヒ-」通常盤(ふつうよし)収録の「…ラカチノトヒ -moon arrange-」は、通常盤の荘厳な感じのする"moon arrange"とも、初回盤A（どうもとくべつよしちゃん盤）に収録されている"sun arrange"とも違った、幻想的な東大寺バージョンだった。

同様に、よく知っている「HYBRID FUNK」（2018年5月発売のアルバム「HYBRID FUNK」に収録）と「Believe in intuition…」（2016年発売の「Grateful Rebirth」通常盤に収録）も、幻想的な音色のアレンジだった。逆に、意表を突かれたのは「去な宇宙（いなスペース）」（アルバム「HYBRID FUNK」に収録）で、CDよりもアップテンポになっていた。

個人的には、「宗流 Power」と「B FUNK」は初めて聴いた（と思う）。「宗流 Power」はブルースっぽい要素が入っている。「B FUNK」は楽器のメロディー隊のユニゾンがパワフルでありながら、憂いや荘厳さもあって大仏とマッチしているように思えた。

「街」の後半に涙で歌えなくなる

最後の曲となった、ソロデビュー曲の「街」の、後半の「♪このカラダまだ行けるさ」のところで、剛が涙でしばらく歌えなくなった場面は、テレビでも放送されていたが、実際のライブでは思った以上に長い沈黙となっていた。

剛はこの時泣いた理由について、2018年10月6日のbayfm「堂本剛とFashion & Music Book」で明かしていた。突発性難聴発症前の状態に戻れず、「みんなの求めてる自分にはなれない。で、その悔しさと悲しさとか、いろんなものがこう込み上げて来て」という心境だったそうだ（2018年10月7日付「堂本剛、東大寺ライブの『街』歌唱で泣いた理由―悔しさと悲しさ」を参照）。

今後も無理せず、できることだけ続ければいいと思う。

この映像作品の発売日の2019年4月10日は剛の40歳の誕生日だ。特典映像の終盤で、剛は40歳を迎えるに当たり、バンド仲間に「引き続き皆さんと共に、いい時間過ごせたらいいと思います」と述べていた。

いろんないい時間が沢山過ごせますように。誕生日おめでとうございます！