堂本剛、人生の大きな決断は人を悲しませることもあるが、自分に対しての愛情だ

2019年4月21日

2019年4月20日のbayfm78「堂本剛とFashion & Music Book」で堂本剛は、新元号の「令和」が自分の故郷の奈良の古代の万葉集にゆかりのあるものだったことで、新元号への想いを語った。

4月10日に40歳になったということで、剛は40歳になってどういうファッションにしたいか、というテーマで話した。ミュージシャンは、自分の音楽の延長線上で服を着ているケースが多いが、剛の場合もファンク・ミュージックが大好きだから、その系統のファッションを好んでいる。

40歳になるまでは、自分が手掛けている『ENDRECHERI（エンドリケリー）』のファンクは、自分がやめればそれで終わると思っていた。しかし、40歳になって、剛はエンドリケリーのスタイルのファンクの後継者のことを想像することもあるという。

人生の大きな決断について、剛は「人を困らせたり傷つけたり悲しませたりすることだってある」としつつも、「人生一度きりというところで言うと、そういう決断を出すというのは1つの自分に対しての愛情だとも思います」と語った。また、ありがとうと言う気持ちがあれば、「結果、みんなにとって幸せな未来に繋がるんじゃないかな」とも述べた。

具体的に何か大きな決断を控えているという話ではなかったが、剛にとっての今後の大きな決断というと、たとえば、結婚をする、KinKi Kidsをやめる、ジャニーズ事務所をやめる、芸能界の仕事をやめる、などが当てはまるだろう。

かけた2曲は、2018年5月発売のアルバム「HYBRID FUNK」通常盤収録の「おめでTU」と、2009年発売のアルバム「美我空 - ビガク ~ my beautiful sky」および2011年発売のベストアルバム「Nippon」収録の「Nippon」だった。

新元号「令和」が故郷の奈良とつながる万葉集に由来があって、思ったこと

剛は、冒頭トークで、5月1日から改元開始する新元号の「令和」についての想いを語った。「令和」が、剛の故郷の奈良が都であった古代の歌集・万葉集に根拠を持つことで、非常に高い関心と感慨を持っているようだ。

「あと10日ほどですかね。平成から令和になりますね。この新元号・令和の出典となった万葉集を中心としたですね、古代文化に関する総合文化拠点が、奈良にあるわけでございますけど。明日香村にあるんですかね。万葉文化館。新元号が発表されて、こちらに訪れる方も多いということでございますけど」

「いろいろな想いを込められて、新元号が決まるまでにいろいろな方々が携わって、いろいろな方々の想いが集結して、この令和という新元号に辿り着いたんだろうなという印象を受けてます」

「携わった方の一人一人の想いっていうのが、どれも強くあったんだろうなっていうか。こういうのどうですか、こういうのいいと思うんですとか、いろいろみなさんお話されたことがあって」

「みなさんのいろいろな想いを集約して行くと、この万葉集に辿り着いていたりとか、奈良に辿り着いていたりとか、そして令和という新元号に辿り着いたのかなと。いろいろな人々の想いが、その令和に向って行ったような印象を受けて、新元号の発表を聞かせて頂いたという感じでしたね」

「そして、4月の20日は（パーカッション担当の）スティーヴ（エトウ）さんの誕生日なんですけどね。スティーヴさんも、不思議な宇宙人人生をね、これからも全うして行くんでしょうけれども」

40歳になってファッションはどうしたいか

リスナーから、40歳からこんなファッション採り入れたいなというのがありますか、というメールが届いていたので、剛は回答した。

「40歳になったからこういう服装はちょっとなしかなとか、色合いはなしかなっていうのは、何となくあるかもしれないけど」

「でも、たとえば結婚パーティー、たとえばディナーショー、たとえば高級レストラン、はたまたファミレス、カフェ、長い付き合いの友達んち。いろいろありますけど、その場所によって、服って変わるじゃないですか」

「だから、自分がこういうふうに見られたほうがいいっていう服の着方は、僕はしていないんですよ。こういうふうに見たいんだろうなっていう着方は、することあります」

「だから、30歳ぐらいから、あなた、『こんなあなたでいて欲しい』の『あなた』をやめて、『僕はこうしていたいんです』の僕に、シフトチェンジをはっきりしたというかね、気持ち的に」

「だから、『僕』で振る舞える場所は、常に僕でいますけど。でも、ここは『貴方』でいてください、『貴方』でいないと周りの大人がざわざわしたり、ごちゃごちゃ煩いなと思ったら、『貴方』になる時はありますよね」

「僕の意志というよりは、周りの意志ですかね。周りが煩いから。煩せえなと思って。『はい』って着とけば、にこにこしてますからね、煩い人らは。オジサンとかは」

服は音楽の延長線上で着ている

剛に限らずミュージシャンの多くは、自分の音楽のジャンルに合ったファッションを好む傾向にあると思われる。剛はファンクが大好きだから、自分の音楽の延長線上で服を着ているそうだ。

「やっぱりね、ファンクミュージックに魅了されて、ファンク大好きってなってるから、音楽の延長線上で服はやっぱり着ているんですよね」

「レコーディングする時になって、ファンクミュージック、レコーディングするのに、ちょっと違うやんみたいな服で、カチカチめの服で行っちゃうとさ。カチカチにもファンクのカチカチはあんねんけど」

「パリコレ系みたいな感じとかで行き過ぎちゃうと、『どしたん？』ってなるし。周りのミュージシャンも『どしたん？』ってなるし。その空気がスタジオに蔓延するし。『頭からお願いします』と言っても、そういう空気が蔓延してるから、全然ファンクに入って行かへんっていうか」

「『何そのダサいTシャツ着て』『ええやろこれ』『めちゃいいですね』とか言いながら、『しょーもないTシャツ着てますね』とか言われながら『取りあえず頭からやろうよ』ってやったほうが、空気がよかったりするし」

「とにかく、『僕』でいられる服を着ていたいというのが、40歳からも、そうしたいなと思いますよね。でも、『貴方』になってくださいの時は、『貴方』の服を着る時もあります」

「でも、昔は高級レストラン行く時に、絶対スーツの下にシャツとか着ててもさ、ジャケットの下にTシャツとか、ぐらいは僕は出してますけど。首しまってるのが嫌いで、シャツはあんまり好きじゃないんですよ」

「シャツ着てる男の人はモテるんですけど、出来る感でるから。モテるために首のしんどいシャツを着る理由が、人生でないです」

「スティーヴさんの誕生日っていうのもありますんで。日本もさらなる美しい日本になって行く。いろいろな想いを込めて」

ここで剛は、2018年5月発売のアルバム「HYBRID FUNK」通常盤収録の「おめでTU」をかけた。

ファンクは一生やっていたい、40歳になって後継者のことを想像するようになった

剛はファンクは一生やって行きたいと思っているが、40歳になって、自分が手掛けているエンドリケリーのファンクの後継者のことを想像することもあるという。

「40歳になりまして、人生の節目と言われる年齢を迎えました。基本的には、何かをごちゃごちゃは考えてないですね。それなりに考えますけど、大したこと考えてないというか」

「音楽のファンクに魅了されて、ずっとやってきて楽しいから、一生ファンクやってたいなとは思ってますよね。40歳の時に飽きてるかなって言ったら、飽きてないですしね、まだまだファンクやりたいなと思ってます」

「この間も雑誌で話ししてたんですけど、『エンドリケリー』というものが、僕が引退して、次のエンドリケリー、次のケリーを襲名する人が出て来て、その人が僕が作ったエンドリケリーの世界を持続して行くんですよ」

「そんな話してて、もしかしたら千年後までのエンドリケリーの間には一人ぐらい女性ボーカルのケリーが出て来る時があるかもしれないなとか。そんな話をしながら笑ってたんですけど」

「僕も疲れたから、君やってくれるって。その君がエンドリケリーやればいいな。そんなイメージが40歳になってしてるというイメージかな。40歳までは、自分がやめたらエンドリケリーは終わるというイメージというか、バンドは終わるってイメージ」

「でも、バンドもコロコロ変わって行って、エンドリケリーというファンクが千年、二千年続いて行ったらちょっと面白いな、と想像したっていうのが新しかったかな」

大きな節目、人生の転機を迎えたら

10年以上米国で特殊な仕事についているリスナーが帰国するという大きな決断をしたというメールを送って来たのを受け、剛は人生の大きな決断についての考えを語った。大きな決断とは、今の仕事をやめるなどの重大な決断を指しているとみられる。

「決断をする時とか節目っていうのは、とても難しいですよね。人を困らせたり傷つけたり悲しませたりすることだってあるというね。節目というより転機」

「自分の主張を前に出すということですから。争って傷つくのではなくて、『あ、やめるんですね』とか。そういう節目で自分の意志を尊重してあげた時に生じる、いろいろなのがあるじゃないですか。だから難しいよね」

「でも、人生一度きりというところで言うと、そういう決断を出すというのは1つの自分に対しての愛情だとも思いますしね。やっぱり人間生きているすべての日を自分を無視して誰かのためだけに愛情を注ぐっていうのは、到底無理だと思うんですね」

「なぜ生まれて来たかを考えた時に、その自分の魂が、肉体という乗り物に乗って、乗っている者同士、その人だったりに、愛情を与えるために、愛というものを議論するために、生まれてきたのかなとか思ったりもするんだけど」

「実は一番大きいテーマっていうのが、自分を愛してあげるということじゃないかなと、僕は耳を患ってからちょっと考え始めたんですけど。自分を愛してあげるということが、我が儘を貫き通していろんな人に迷惑をかけるということではないんです」

「もっと難しく言うと、自分に感謝をするということかな。俺ってすごいな、頑張ってるなっていう感じじゃなくて。ありがとうと自分に思いながら日々を過ごせると、いいんじゃないかなと。それが生きるってことなんじゃないかな、というふうに思います」

「だから、大きな決断をされることとか、される方々は、自分を責める気持ちが生じたり、いろいろあると思うけど、でもそういうふうに進んで行こうとする自分に対してありがとうと言う気持ちを与えられる瞬間は、その全ての瞬間ありがとうを与えて行けば、結果、みんなにとって幸せな未来に繋がるんじゃないかなと僕は思います」

平安神宮ライブでの想い

2016年の平安神宮公演に行ったリスナーが、剛がライブのMCで「世の中のいろいろなことに怒りをぶつけるだけでは幼い」「自分の心の声を聴いて一度きりの人生を生きて」と話していたことで、転職を決意したという。

剛は平安神宮ライブでの想いについて語った。

「平安神宮さんでライブずっとさせて頂いてますけれども、自分の体が京都にあり、平安神宮さんから奉納演奏させて頂いてますが、自分がステージに立って向って見ている方角、それを奈良につなげるというのかな」

「奈良と京都を行ったり来たりさせるような、シェイクするみたいなイメージというか、そういう想いで立っていることもふとあるなと思ったりしますよね」

「奈良に立ち、奈良で奉納演奏することだけが、奈良に対しての働きかけの一つではないというか。離れた場所から繋がること、思うこと、そういうことも一つの平和ないいバイブスを生むための方法論じゃないかなとも思うんですね」

「平安神宮さんの地に対して、神々様たちに対しての、さまざまな想いももちろん込めて、あそこで波動出しながら演奏してるっていうイメージあるんですけれども。自分が見つめている先であったりとか、あるいは自分が想う人へだったりとか。そういうところと繋ぎながら、あの場でいろいろさせて頂いてるというイメージなんです」

「平安神宮さんていう場所があることで、自分の体はそこにありますが、自分の想いとか魂というものが、もう幾千にも分かれていろんな所へと飛んで行って繋がってる、そういうイメージで歌ったり演奏したりしているんです」

「ステージに立つ自分がそういう波動を出せば、みなさんが体が一つだけれども、未来っていうものが幾千にも分かれて、自分がその先のどの先をチョイスするかということを、無意識にあるいは意識的におやりになって、最終的にいい未来へと繋がって行くようになればいいなと」

「その先に、みなさんの未来に立つ周りの人々も幸せだったり平和であったり愛に繋がった時間を刻んでいければいいなと」

剛はラジオでリスナーからいろんなメールが来ることに関し、「人の心のうちというか想いというか情熱というか、そういったものを共有できるのは、すごくいいことですね」と語った。

「変わらない自分と変わろうとする自分、いろんな自分が見えてくる。それが楽しいな。テレビではないスピード感なんでね、いいなって改めて思いました」

最後に剛は「さらなる美しいわれらの日本がずっとずっと続いて行きますように」と言いつつ、2009年発売のアルバム「美我空 - ビガク ~ my beautiful sky」および2011年発売のベストアルバム「Nippon」収録の「Nippon」をかけた。

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*堂本剛が3枚目のソロアルバムとしてENDLICHERI☆ENDLICHERI名義で2006年3月1日に発売した「Coward」はライブでその後よく歌われることになった「これだけの日を跨いで来たのだから」や「ソメイヨシノ（ライブバージョン）」などを収録。

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