SixTONES『わたし』初日35.5万枚、前作比V字回復、KinKi Kidsファンも気に入る曲だと思う

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・難解で敬遠された『共鳴』での落ち込みを帳消しにする売上V字回復、実は同じ作家が作詞作曲
・楽曲『わたし』はKinKi Kidsファンが気に入ると思う
・7thシングル『わたし』のハイライト・メドレー的動画を前もって公開していた
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SixTONESの2022年6月8日（水）発売の7thシングル「わたし」のフラゲ日・6月7日の売上は、オリコン調べで推定35万5,420枚で、デイリーシングルランキングで断トツの初登場1位だった。2位との差が大きいため、初週1位はほぼ確実だ。

難解で敬遠された『共鳴』での落ち込みを帳消しにする売上V字回復、実は同じ作家が作詞作曲

このオリコンによる初日売上の35万5,420枚は、前作の3月2日発売の6thシングル「共鳴」の28万710枚（初週売上は40万138枚）を大幅に上回った。

さらに、前々作の2021年8月11日発売の5thシングル「マスカラ」の初週売上の35万3,884枚（初週売上は49万6,384枚）をもやや上回り、2020年7月22日発売の2ndシングル「NAVIGATOR」の初週売上の42万3,202枚（初週売上は62万1,656枚）以来の高水準となった。

最近のジャニーズのCD売上は初日への集中度が強まっているため、必ずしも初日の前作比での増加がそのまま初週売上の同程度の増加につながる保証はない。

それでも、7thシングル「わたし」の初日売上は、前作の6thシングル「共鳴」で大幅減となった分をちょうど帳消しにするくらいのV字回復となった。これは、「共鳴」が難しすぎて共感を得られなかったのに対し、「わたし」は哀愁が感じられて耳に残りやすいメロディーで、共感を得やすかったからではないか、と筆者は個人的に思っている。

実は「わたし」の作詞作曲は、「共鳴」「僕が僕じゃないみたいだ」と同じ、SAEKI youthK（シンガーソングライターの佐伯ユウスケ）が担当している。

SixTONESの実質的な音楽プロデューサーが滝沢秀明ジャニーズ副社長なのかソニーのスタッフなのかは不明だが、前作「共鳴」が難解すぎて一般大衆にはほぼ空振りだったにもかかわらず、再度同じ作家・SAEKI youthKを起用という決断をしている。

つまり、SixTONESの音楽Pは、よほどこのアーティストが気に入っていて、才能を買っているのだろう。実際、SAEKI youthK氏は見事に挽回し、初日売上のV字回復につながった。

[追記] SixTONES「わたし」の初週売上は、オリコンで推定47.1万枚、ビルボード・ジャパンで47万9,949枚だった。前作「共鳴」のオリコンの40万138枚、ビルボード・ジャパンの40万2,093枚を大幅に上回った。ただし、前々作「マスカラ」のオリコン49万6,384枚、ビルボード・ジャパン50万4,232枚には届かなかった。

楽曲『わたし』はKinKi Kidsファンが気に入ると思う

ところで、筆者が個人的にもう一つ感じているのは、楽曲「わたし」に漂う哀愁と京本大我が牽引するSixTONESの歌唱力の高さは、KinKi Kidsの世界に通じるものがあるという点だ。

つまり、楽曲「わたし」はKinKi Kidsファンが好きなタイプの曲だから、KinKi Kidsファンを取り込む（SixTONESと掛け持ちしてもらう）ことが、十分可能と思われる。

KinKi Kidsはリリースが極端に少ないため、KinKi Kidsファンには暇な人も多いと思う。これを機会に、SixTONESの「わたし」を聴いてもらってはどうだろう。

最近のKinKi Kidsは"恩返し"的に、過去にお世話になった大ベテランの作家を起用する例が複数あったが、既に最先端の音楽シーンに取り残された古い作風の作家もいて、正直、つまらない"捨て曲"もある。SixTONESの「わたし」のほうがサウンド的に面白いと思う。

余談だが、音楽特番とかカウコンで、グループ・チェンジ・メドレーをする場合、SixTONESの曲は難しいので他のグループがなかなかカバーできないが、歌唱力の高いKinKi Kidsならできると思うし、KinKi Kidsが「わたし」をカバー歌唱するのを聴いてみたい。逆に、SixTONEsはロックもいけるが、京本大我やジェシーあたりだとKinKi Kidsの難度の非常に高いバラード「雪白の月」も歌えるのではないか。

7thシングル『わたし』のハイライト・メドレー的動画を前もって公開していた

SixTONESは7thシングル「わたし」のハイライト・メドレー的な動画「わたし nonSTop digeST / Watashi nonSTop digeST」を、シングル発売に先立って、2022年6月3日にYouTubeのSixTONESチャンネルに公開している。

ハイライト・メドレー的な動画は、ジャニーズではまだ珍しいと思うが、K-POP系のアイドル・グループの中には、当たり前のように公開しているところもある。

中身を先にばらしたらCDシングルを買う人が減るのではないかと思うのは全くの杞憂で、通常は、ハイライト・メドレーが良ければ、CDを買う気になる人が増える。今回シングル「わたし」を買おうか迷っている人は、とりあえずこのハイライト・メドレー的な動画を視聴してみるといい。

ちなみに、今作のカップリング曲のうち（リミックス曲やライブ・バージョン以外の）新曲に関しては、初回盤A収録の「シアター」はR&Bフレーバーもあるダンサブルなロック、通常盤収録の「オンガク」はR&Bテイストもあるハートフルな曲,「セピア」はポップでエモーショナルな曲だ。

・YouTubeのSixTONESチャンネルに2022年6月3日に公開されたSixTONES – わたし nonSTop digeST / Watashi nonSTop digeST（3分58秒）

改めて、SixTONESは歌唱力が売りのグループだと思う。ただ、アジアだけでなく欧米にも進出したいのであれば、歌が上手なアーティストはいくらでもいるから、ボーカル・グループというだけでは、売れるのは容易ではないかもしれない。ダンスに関しては、ジャニーズ内では、King & Prince、Snow Man、Travis Japanのほうが上手だ。

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